結い2101受益者総会レポートの7回目です。若手経営者のパネルディスカッションに登壇するパネラーの方々の自己紹介2人目はサイボウズの青野慶久さんです。
グループウェアが大好きという青野さんですが、ブラック企業となっていたサイボウズをホワイト企業に変身させるきっかけはどうしたら社員が辞めないでくれるだろう?というものでした。今では社員が働きやすい会社を目指してガラッと会社が変わりました。
急拡大した会社をグループウェアに特化した会社へ
サイボウズ株式会社 青野慶久さん(代表取締役社長)
19年前にグループウェアの会社を起業して3年で上場しました。
最初の社長の高須賀さんが退職して次の社長は誰という話になり、社長になりました。
当時M&Aが流行っていて僕らもやらないという感覚になったんです。手元にお金があったので他の事業をやろうと会社を買いました。1年半で9社買ったんです。わけわからんやつが経営するとこうなります。
その後、買収したいくつかの会社で予想外の赤字が出て業績の下方修正を出しました。そしてそれが続いたんです。つまり、買収した会社のことを把握できてなかったという事です。それまで利益を出し続けていたのにこんな事になって社長を辞めさせてもらうと言ったら辞めさせてくれませんでした。
そんな時、松下幸之助の本に出会ったんです。
「真剣に志をたてよ」
それまで真剣さが無かったんだと気づき、これからは命を賭けようと決めました。
社員の声を聞くと開発のメンバーがgoogleよりすごいグループウェアを作りたいと言っていました。販売のメンバーはグループウェアを拡げていくのが楽しいと言っていました。みんなグループウェアが大好きなんだと気づき、社員に働きやすく、喜んでもらえるようにサイボウズをグループウェアだけの会社にしました。
買収した会社は売却して売上は120億円から40億円に下がりました。サイボウズはいいグループウェアを作って拡げることがやることで、売上げ利益に命を賭けられないんです。いいものを作って拡げていきます。
ブラック企業から社員が辞めない働きやすい会社へ
働き方について話すと以前は紛れもなくブラックな会社でした。2005年の離職率は28%。これは効率が悪いです。まず採用にコストがかかります。面接をして採用してから教育して、辞められてまた採用して教育と繰り替えすうちにあほな事をしてないかと思うようになりました。
社員が辞めないような会社にしてはどうかと思ってどうしたら辞めないか聞いたら残業をしたくない、時短で働きたい、場所が遠い・・・などの声が集まり、それでいろいろ自由に働けるようにしました。副業も届け出はいりません。
それで離職率は昨年3.7%になり、サイボウズは面白いといろんな方が注目してくださるようになりました。
今は総務省に1000人のリモートワークを提言していて官僚の働き方を変えようとしています。私も子どもが3人いますが育児休暇を取っています。
これまで売上利益を大事にして人を大切にしてきませんでした。20年間の停滞はそこに問題があったのだと思います。
「結い2101」第7回受益者総会
〜これからの社会に必要な若手経営者たち〜
日時:2016年9月10日(土) 12:00〜17:00
場所:横浜港大さん橋ホール
主催:鎌倉投信
- 開演挨拶
- 決算報告
- 基調講演 前編 中編 後編
- 投資先経営者自己紹介”カヤック”
- 投資先経営者自己紹介”サイボウズ”
- 投資先経営者自己紹介”マザーハウス”
- 投資先経営者自己紹介”ユーグレナ”
- パネルディスカッション 前編 中編 後編