いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

鎌倉投信:結い2101受益者総会(2016)詳細レポート Vol.6 会社に行くのが楽しくなるような会社を(カヤック 柳澤大輔さん)

結い2101受益者総会レポートの6回目です。若手経営者のパネルディスカッション前にパネラーそれぞれの自己紹介がありました。これまでの経営者の講演と違い、事業内容というよりも創業の思い、事業の理念などが伝わる内容でした。

一人目はカヤックのCEO 柳澤大輔さんです。会社に行くのが楽しくなるような会社を作ろうという創業時の思いが伝わるお話でした。

面白法人カヤックの誕生 

株式会社カヤック 柳澤大輔さん(代表取締役CEO)

カヤックの事業は多岐にわたっているので今回は創業時の想いをお話させていただきます。

今から19年前、1998年に高校時代の同級生3人で作りました。柳澤、貝畑、久場の頭文字をくっつけてカヤックという社名です。会社にしっかりした事業と組織が作れるか、それに戦略がかみあわさって伸びていくという事で組織について深く考えてやってきました。

一番最初につくった制度が組織で社名より前にどういう会社にしたいか3人で話しました。創業する前、2年ほどサラリーマンをしていました。当時は朝、会社に行きたいと思ったことが一日もなかったので会社に行くのが楽しくなる、会社に行くことを面白がる、そういう会社をつくりたいと思い「面白法人」というキーワードを付けました。

会社も一人の人間で、欠点だらけの人間が集まってやっている法人です。この言葉が源泉となって続けてきています。想いは面白がって働こうという事です。

自分たちだけでもそうすることで他と比較して厳しいこともできるのではというのは自己満足に過ぎません。外から見ても面白い価値を生み出すべきだろうと思います。

社会に面白く働くことで新たな選択肢が増えていきます。毎日会社に行くのが楽しくなるし、自分で会社を作っている感じがあると面白く働けることに気づきました。そこで経営の情報をオープンにして全員が意思決定に関われるようにし、全ての制度や働き方がそこに現れるよう3人が共同代表という形を取っています。

会社という仕組みは人工的なものなので辿っていって誰かが責任を取るという形になりがちですが、そこに原因があるわけでなく、他と密接に関わっている、全体で影響しているという東洋医学的な考え方をとっています。

責任は共同責任ですが、あくまでも全員で責任をとる主体的な考え方です。

将来お金で揉めるというアドバイスから生まれたサイコロ給

会社が面白いかというのを考えた時、あまり先輩に肯定されませんでしたが、この20年の潮流の中で面白い会社が増えてきていると思います。カヤックの働き方も鎌倉でITというツールを使ってやっています。

先輩からのアドバイスで友達と3人で会社をやると必ず将来お金で揉めると言われました。揉めてもいいかと思いましたが、一方でせっかくアドバイスいただいたので工夫したのがサイコロ給です。お金で揉めるならサイコロを振って決めればいいのではという考え方です。給料といっても手当をサイコロで決めていて、6が出ると給与の6%のサイコロ手当が支給されます。

お金以外の想いを毎月思い出すように導入した仕組みですが、おそらく世界で唯一だと思います。こうした仕組みが外から見て面白いと思われる要因だと思いますが20年サイコロを振ってわかった事は幸せというキーワードは比較から生まれるという事でした。

自分が一番多くもらっていると思うという他者と比較してギャップがなければ幸せですが、他者の評価に対して敏感になると面白くなくなってしまいます。その点、サイコロ給は自分の評価が神様に委ねられます。

会社の文化は評価で作られます。自分さえよければという人でもお金を気にしないというサイコロ給を取り入れることで仲間を大切にするようになります。

この仕組みは2014年に上場してもそのまま続けています。

カヤックが地域活動のサポートに取り組むワケ

面白く働くというのは事業の戦略が見えない中で落とし込んだ形です。
つくる人をふやすにはつくる人側になればいいという事で面白く働けるようにしました。まちづくりも一緒です。鎌倉でカマコンバレーをしていますが、それも地域づくりです。

いい会社の条件としてゲーム、スポーツ的なところがあります。レギュラーから外れた場合にどうカバーしていくか、その人に地域の活動に参加してもらうと作っている感が出てくるんです。そうすると住んでいる地域が好きになってきます。

会社がサポートすると今度は地域活動での活動をサポートするようになって二つの歯車が回り出すようになりました。 

次はサイボウズの青野社長の自己紹介です。

「結い2101」第7回受益者総会
〜これからの社会に必要な若手経営者たち〜

日時:2016年9月10日(土) 12:00〜17:00
場所:横浜港大さん橋ホール
主催:鎌倉投信

  1. 開演挨拶
  2. 決算報告
  3. 基調講演 前編 中編 後編
  4. 投資先経営者自己紹介”カヤック”
  5. 投資先経営者自己紹介”サイボウズ”
  6. 投資先経営者自己紹介”マザーハウス”
  7. 投資先経営者自己紹介”ユーグレナ”
  8. パネルディスカッション 前編 中編 後編