いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

第7回 結い2101受益者総会で印象に残った言葉

9月10日(土)に横浜の大さん橋ホールで開催された結い2101受益者総会に参加しました。1回目から毎回参加している皆勤賞です。

詳細レポートは後日アップしますが、まずは印象に残った言葉と感想を。今回は「人」がテーマだったので働き方について考えさせられ、サラリーマンとして働いている自分にとって最も身近に、自分事として感じた総会でした。

鎌田恭幸さん(鎌倉投信 代表取締役)

「ごくごく普通の人が言葉に変え、行動に変え、誰かががむしゃらにがんばって成し遂げました。社会の変革というものは一人の平凡な人が平凡なことを非凡にやりつづけた結果です。」

受益者総会ではすごい人達を次から次へと目の前にするわけですが、すごい人というのは必ずしも超人的な能力を持っているというわけではなく、平凡な人が平凡なことを達成するまでやり続けた結果だという言葉が印象に残りました。

以前鎌田さんが講演された際にも話していた言葉ですが、今回の登壇者のお話を聞いて言葉の意味をより深く実感しました。

新井和宏さん(鎌倉投信 取締役)

「投資先にとって対話するに値する運用者でないといけません。私自身が価値のある相手であることが求められています。私が精進しながらお客様の代弁者として歩んでいきたい。」

鎌倉投信の場合、通常の運用会社と違って金銭的なパフォーマンスだけが求められているわけではありません。リターンの定義を金銭的×社会的×心の満足に変えたという事は投資先としっかりと対話をしながらいい世の中を作り出す必要があります。

それには自分が相手にとって対話に値する人間でないといけないと運用者としての決意を語っていました。運用部には稲葉さんもおられますが、将来へ向けての育成も含めて鎌倉投信の運用をブラッシュアップし続けて欲しいです。

坂本光司さん(法政大学大学院 教授)

「障害者は一定の割合で生まれたり、そうでなくても事故だったり歳をとると障害がでるかもしれない。神様がなぜ健常者に生んだのかというと障碍者に手を差し伸べろということ。人はありがとうと言うのではなく、言われることで幸せになる。雇用の場がなくなる事程の問題はない。」

障害者雇用について本質をついた言葉です。人は他人にありがとうと言い続けるだけでは幸せになれません。仕事を通じて他人からありがとうと言われる事で幸せを感じるのだとしたら、障害者に雇用の場がないというのは大きな問題です。

自分は正義のために戦っていると話していた坂本先生の言葉はナイフのように鋭く、心に残りました。

柳澤大輔さん(カヤック 代表取締役)

「自分で作ってる感じがあると毎日会社に行くのが楽しく、面白く働けることに気づきました。」

会社のことをいかに自分事にするかと考えると創業者というのは究極に自分事なわけです。そんな自分の働き方から面白く働くために必要な要素に気づき、社員にも自分で会社をつくっている感覚を持ってもらうようにする。ここまでされたら社員は面白く働けますよね。

青野慶久さん(サイボウズ 代表取締役)

「会社をどうするか神さまと相談しました。消えてなくなってもいいから世界のためにがんばれと言われたんです。サイボウズが無くなってもみんな転職していくだけです。場合によってはもっといい条件で働けるかもしれない。そこまで思い切って行動すると周りも注目してくれて、色々できるようになりました。」

元々はベンチャー特有のブラック企業だったサイボウズがホワイト企業に生まれ変わったきっかけです。鎌倉投信もそうですが、業界の中でも振り切っちゃった強さをサイボウズには感じました。

IT業界というとブラックというイメージがありますが、こういうホワイトなIT企業が増えないと将来は危ういと自分もIT業界に身を置く一員として強く思います。

山口絵理子さん(マザーハウス 代表)

「ASEANは中小企業がほとんどでみんなネクストチャイナを目指して大量生産しています。それ以外の選択肢はないのか?伝統工芸を評価しきれていないんです。マザーハウスは大量生産でもフェアトレードでもありません。」

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」をミッションに掲げるマザーハウスの今後の展開について端的に述べたのが大量生産でもフェアトレードでもないという言葉でした。今後も様々な国で伝統工芸を世界に通用する商品に仕立て上げることと思います。

パネルディスカッションでのお話を聞いていても生産に関することは嬉々として話すのに他の事だと固まる姿を見て、山崎さんという副社長がいてマザーハウスはバランスよく経営されていうなと感じました。

山崎大祐さん(マザーハウス 副社長)

 「チャレンジってみんなが始められるわけじゃない。みんながここにいる人達ほど強いわけじゃないんです。でも、色んな人に自分のやりたい事を言っておくとチャレンジがやってくることがあるんです。大切なことはちょっとしたことでも周りの人に言っておくことなのかなと思います。」

素晴らしい経営者を前に自分はどうしようともがく人達も多いと思いますが、山崎さんが副社長という立場からみんながそんなに強いわけじゃないと言ったのは救いでもありました。

やりたい事は声に出しておくといつかチャレンジがやってくる事がある、ただチャレンジがやって来るのを待つのではなく自らを磨く必要はありますが、これなら私にも出来るんじゃないかと思いました。 

出雲充さん(ユーグレナ 代表取締役)

「皆さん本当に理由を求めていると思うんです。なんでバングラデシュだったのか?なんでミドリムシだったのか?本当に好きなことは理由なんかなくたってご縁があれば出会うことが出来たんです。」

セミナーでなぜそれを始めたんですか?という質問がよくありますが、人事を尽くして天命を待つではないですが最後はご縁という事もあると思います。

最初からそうしようと考えて進んでいった道よりも、何かのきっかけで転機を迎えて歩み出した方がより大きな、想定以上の結果を生み出す事もあるのではないでしょうか?鎌倉投信を通じて知った会社を見ているとそう思います。

とはいえ、同じきっかけが自分に来るわけではないと知りつつ、どんなきっかけだったのかは聞いてみたいですよね。