今年のコモンズSEEDCapの支援先となった3keysの森山誉恵さんのお話をじっくり聞く機会がありました。
第7回コモンズSEEDCap応援先・3keys森山さんに聞く!
〜わたしたちが3keysとできること〜
「より良い明日」のための作戦会議第2弾
日時:2016年9月2日(金)19:00〜
場所:CAFE SALVADOR BUSINESS SALON(カフェ サルバドル ビジネスサロン)
講師:森山誉恵さん NPO法人3keys 代表理事
すべての子どもたちが安心して育つ社会へ
3keysでは児童養護施設で暮らす子どもや家庭環境に恵まれない子どもを支援しています。最初は児童養護施設で暮らす子ども達への学習支援から始めたという森山さんはその背景に虐待や育児放棄、貧困などの問題がある事に気づきました。
そうした子ども達は大人を信用しておらず、結果として相談できる大人がいないまま社会に出て行くことになります。3keysではすべての子どもが安心して育つことができるようセーフティネットを構築しようとしています。
学習支援をしている中で子どもから信頼されるようになったボランティアさん達が子どもから相談を受けるようになりました。そこで3keysでは相談を受けて専門機関へ橋渡しをする活動も行っています。
10代の子ども達の相談窓口「Mex」では東京都で様々な子どもの相談相手となる機関を検索できるようにしています。今は東京都だけですが、他の地域にも広げようとしています。
最初に森山さんが学習支援ボランティアをした子どもは中学2年生で小学1年生の算数を教えるというものだったそうです。当時進学塾のアルバイトもしていた森山さんはあまりにも違いすぎる現状を知り、友人達と一緒に3keysを起ち上げました。
活動を続ける中で、一緒にやっていた友人達との間に活動への温度差の違いが生じてバーンアウトしそうになった事もあるそうです。
家庭環境などの影響で大人を信用していない子ども達にせめて自分達は信用してもらいたい。相談できる大人がいるんだよとわかった上で社会に出て欲しい、そんな想いで3keysが運営されていることがひしひしと伝わるお話でした。
貧困は悲しいことに連鎖してしまいます。その鎖を断ち切るための環境づくりに奮闘している姿を見て、今年のコモンズSEEDCapは3keysに決まって本当に良かったなと思いました。まだ設立から6年と若く、年間の活動資金も1500万円ほどですので、コモンズ30ファンドの信託報酬としてコモンズ投信が受け取った分の1%相当分というのは結構大きなインパクトを生み出すと思います。
マンスリーサポーターになりました
3keysの活動は地道で息の長い活動です。続ける事が出来なくなると、子ども達はやっぱり大人は・・・と再び思うようになってしまうのではないでしょうか。前回の難民支援協会もそうでしたが、日本でなかなか注目されない分野でしっかりと活動されている3keysとコモンズSEEDCapを通じてご縁をいただき、私も微力ながら息の長い応援をしようと考え、マンスリーサポーターになりました。
日本は社会課題先進国だと言われますが、社会課題を認識して解決に向けて取り組む人達がいる事は大きいと思います。社会課題は行政が解決するべきものと他人事にせず自ら飛び込んでいく姿にいつも勇気づけられます。
こうして自分事にできる人が少しずつでも増えていけばどこかでいい方向に変わる日はきっと来る、そう信じたいです。