5月17日(火)に開催された投資と寄付フォーラムに参加しました。
Invest in Women 投資と寄付フォーラム〜未来を創るお金の使い方〜
主催:公益財団法人パブリックリソース財団
仕事の関係で大和総研の河口真理子さんの基調講演は途中からしか聴けなかったのですが、社会を良くするためにお金に働いてもらうという観点でお金の使い方について話されていました。
ブラジルの女性向け金融機関の責任者が女性の方が借りたお金はきちんと返すし、クチコミで知り合いの顧客も連れてきてくれる。そして女性起業家は自分の収入だけでなく家庭や教育、コミュニティといった社会的目的も意識した起業をすると話したというのが印象に残りました。
20世紀が利己的な経済だとしたら、21世紀は持続可能な経済社会を意識した健全な利他の経済としてはどうか?という考えに私も賛同します。
第二部のパネルディスカッションでは河口真理子さん、コモンズ投信の渋澤健さん、株式会社WATALISの引地恵さん、NPO法人男女共同参画フォーラムしずおかの松下光恵さんを交えて寄付や投資が後押しする女性の未来創造について意見が交換されました。
コモンズ投信の渋澤さんは「投資を英語で言うとinvest。これはベスト(チョッキ)に入れるという事。寄せて付ける=寄付で投資も同じではないか。今日より明日、よりよい社会のために投資することが寄付ではないか。」と話していてinvestと寄付を同じ意味というのはなるほどなと思いました。
WATALISの引地さんは亘理町で震災に遭い、地域課題が顕在化する中で農家が巾着にお米を入れて渡す姿に返礼文化の象徴を見出しました。ものづくりの中に文化を伝承することを織り込んで活動されています。震災の後に支援物資の担当だったが、善意のものは断ることができないので寄付や投資といったお金で善意を受けとる事について心理的に抵抗があるという話も自分にとって新たな気づきでした。
河口さんからは素敵な事をしているので物を買って終わりではなく、関わりたいという人向けにクラウドファンディングのようなやることを限定した応援の資金を集める方法があるという話もありました。
男女共同参画フォーラムしずおかの松下さんは最初は女性が働くことを支援する活動から始めていましたが、徐々にニートやフリーターといった経済的困難を抱えた女性向けの支援活動に活動を広げていきました。女性の貧困には様々な要因があり、例えばDV被害者は支援の手を差し伸べたくても居場所を明らかにできないなど難しい面もあるそうです。女性の社会起業家を育てることで地域の社会的課題を解決する事を目的に持続可能な事業にしようと動き出した人も現れています。
女性というのがテーマのフォーラムでしたが、社会のためにお金を役立てる事例を知ることが出来ました。これまでNPOへの寄付はできるだけ自分で選ぼうとしていましたが、パブリックリソース財団のような中間組織を通じてしっかりと活動実績のある団体を支援するのもなかなかよいなと思いました。