いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

ひふみ投信の誤解(1):守りながらふやす「ひふみ投信」は下がらない?

11月21日(土)にひふみ投信の運用報告会(東京)に行ってきました。今回はひふみ投信の誤解と題して運用報告会レポートをまとめてみました。

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ひふみ投信は守りながらふやす運用をしているから下がらない?

ひふみ投信では「守りながらふやす」というキーワードをよく使っています。ファンドの設計としても現金比率を最大で50%まで機動的に変更することが出来ることから、暴落しそうな時は現金比率を上げて守りの運用をするというイメージがあるようです。

確かに運用開始直後にやってきたリーマンショックの時はそういった運用をしましたし、東日本大震災の時も一瞬現金比率を高め、下げのクライマックス局面で一転して買いを入れています。

でも、それは事前に暴落を予測していたわけではありません。現金比率は確かに機動的に変更しますが、暴落を事前に予知して現金比率を下げてやり過ごす事ができるわけではありません。

暴落時は市場全体と同じように下げるけれども、そこからの反発局面に強みを持つ運用スタイルです。

藤野:

リーマンショックの時、東日本大震災、5.23ショック、チャイナショックいずれの場合も下がりました。今後も必ずそうしたショックが起きるとひふみ投信も下がります。下がることを防ぐことは不可能です。

 

なぜなら大きく下げる時は良い会社も悪い会社も全部売られるからです。暴落時はむしろ良い会社ほど売られてしまう銘柄選択効果が無い瞬間です。でも、投資家全般は時間が経てば落ち着きを取り戻します。すると今度は良い会社から資金が戻ってきます。ひふみ投信はそうした反発局面に強いのが特徴です。なぜならショックで下がった時に冷静に良い会社に投資しているから反発局面で勝ちやすくなります。

 

この1年間は苦しい相場でした。前半は黒田バズーカがありました。ひふみ投信はどういう相場が苦手かというと全員参加で上がっていくのが苦手です。下がるわけでなく一緒に上がるけど苦手。

 

ふーふー言いながらついていっているように見えます。チャートが人間のように見えるんですよね。そしてTOPIXが上がらなくなったくらいから追いついてます。フラットな時が得意。フラットな時というのは成長している会社に投資しないとリターンを稼げない時です。そういう時は成長株にお金が集まる=勝ちやすくなります。

 

チャイナショックの1発目はTOPIX並みの下げでした。その後はTOPIXに対して勝ち幅が広がっていますがこれも典型的な例です。

 

ひふみ投信は大きな下げの後に強いんです。東日本大震災の後、ひふみ投信は4ヶ月で基準価額を戻しました。5.23ショックは5ヶ月。一緒に下がりましたがTOPIXより早く基準価額を戻しました。

「守りながらふやす」の本当の意味は?

暴落を避けられないなら「守りながらふやす」って何なの?という事になりますが、ボラティリティ(基準価額の変動幅)を抑えながらリターンを出すという運用のことをひふみ投信では「守りながらふやす」と表現しています。

ボラティリティを抑えながらリターンを出す・・・これってシャープレシオの高い運用をするって事ですよね。だから3年間のシャープレシオで表彰するR&Iファンド大賞をひふみ投信では4年連続して受賞しているんです。

高いリターンを出すためにはボラティリティの高い運用が必要と一般的に思われていますが、ひふみ投信ではむしろ市場平均がフラットな状態(=ボラティリティの低い相場)でリターンを積み増しています。

藤野:

ひふみ投信は2015年もファンド大賞を4年連続で受賞しました。5年連続獲りたいと考えています。R&Iファンド大賞は3年間のシャープレシオが高いファンドを評価しています。シャープレシオとはリターンをリスクで割った数字で変動が少なくてリターンが大きなファンドが表彰されるのです。

これは「よりドキドキさせないでリターンを上げたか」と言い換えることが出来、私たちは「守りながらふやす運用」と言っています。シャープレシオが高いというのに近いんです。

でも、下がらない訳ではありません。「守りながら」というと誤解している人もいますが、ここでいう「守りながら」とは変動率が低いということです。

成績の良いファンドはリスクが高くてリターンが高いイメージがありますが、ひふみはインデックスよりもリスクがずっと小さいのが大きな特色です。

そのことをプロが評価してくれていて、地方銀行が採用してくれています。インデックスファンドよりリスクが小さくてリターンが高い点が地方銀行のお客様向けに合っていると評価されました。

日本全体で500本くらいが日本株のファンドで、その中で戦っています。野村だけでも20本以上、有名大学を出た頭のいいファンドマネージャーは15人以上いてみんなライバルです。そんな優秀な人達がなぜこの人達に負けているのか不思議に思うかもしれませんが、私たちもそこそこバカじゃないんです。天才とはいいませんが。

勝つための要因がいくつかあります。4年連続して500本の中で1位-2位-1位-2位となる確率は250の4乗、つまり39億分の1です。39臆年に1回の確率はどのくらいかというとまだ生命は誕生していません。地球誕生が46億年といいますから、地球誕生以来のファンドを作ることができたのかもしれません。確率的に言うとそういうことです。

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