いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

草食投資隊夏合宿 in 岩手に行ってきました(1) 1日目 草食投資隊トークライブレポート

7月11日(土)〜12日(日)にかけて草食投資隊夏合宿in岩手が開催されました。昨年は秋田で一泊二日でしたが今年は岩手。昨年と違って土日開催だったこともあり、遠くは関西地区からも参加者が集まりました。

草食投資隊夏合宿 in 岩手 with 岩手経済力向上委員会
 第一部 草食投資隊トークライブ

会場:花巻温泉 ホテル紅葉館
日時:2015年7月11日(土) 15:00〜17:00

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岩手経済力向上委員会の大久保さん。今回の草食投資隊合宿の幹事さんです。

岩手で経済力を持って元気にもり立てていこうと2014年3月にFPさんなどが有志で発足したグループです。マネー教育などを通じて岩手の皆さんの経済力を向上していきたいと活動しています。

岩手経済力向上委員会の皆さんには二日間大変お世話になりました。

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座席には草食投資隊ロゴ入りの煎餅が。これはすごい!

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トークライブは当日午前中に仙台で東証+YOUの講演があったという公認会計士の平林亮子さんが司会&基調講演をされました。参加費を払っている一般参加者なのに草食投資隊からなんかしゃべってと命が下ったそうです。

平林さんは決算月の違う20銘柄ほどの会社に投資をしていて毎月株主総会に参加しているという事でした。実際に株主総会に行ってみると社長や社員の話す姿などを見て会社の姿が見えてきます。

投資信託も普通はどんな投資をしているのか見えないけれども草食投資隊の3社のファンドはそこが見えるので投資をしていると話していました。

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草食投資隊の一番手は草食投資隊隊長でもあるコモンズ投信会長の渋澤健さん。

ギリシアの様子を見ていると同じ先進国でもこういう事が起こるんだなと思う。ただ、あの交渉力は見習うところがあるかもしれない。

投資においては株価という価格ではなく価値に注目すべきではないか。企業の収益モデルがいつまで続くのか、持続的に成長できる企業に投資をしていくといいのではないか。

ROEが注目を集めているけれども、ROEを上げるために何をしているのかその裏側にも注目して欲しいと話していました。

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草食投資隊二番手は副隊長 セゾン投信社長の中野晴啓さん。昨年出版した『預金バカ』に続いて今度は『投資バカ』を出版されました。行きの新幹線で読んでいた金融庁が出した『金融モニタリングレポート(2015年7月)』について熱く語りました。

投資バカ 賢い人は金融機関を信じない (朝日新書)

投資バカ 賢い人は金融機関を信じない (朝日新書)

 

アベノミクスの三本目の矢として制度改革が挙げられながら官僚に骨抜きにされている中で金融庁は本気で金融制度改革をしようとしている。成長マネーをいかにして作っていくかがレポートに書かれていて、それは長期投資マネーとも言い換えられるもの。

間接金融では銀行がボトルネックになって地元の企業へ貸出がされていない現状に対してこれまでのように重箱の隅を突くようなことは止めるので本業回帰しなさいと書かれています。また、直接金融に対しては伊藤レポートが出たように企業の内部留保を成長のために使うようにと書かれていました。 

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トリは草食投資隊ヒラ隊員 レオス・キャピタルワークス取締役CIOの藤野英人さんです。

震災の後、陸前高田の復興イベントのお手伝いをしていた。小学校の校庭にミニチュアの市街地を作って同じ場所に同じお店を開くというもの。商売人は仕事をしているとイキイキとしている。人間としての誇りは仕事をしながら気持ちが沸き立つことが大事なんだとその姿を見て思った。

お金がお金を生み出すのではない。パン工場を作るにも工場長やパン職人、パンを売る人も必要。つまりノウハウ、情熱、ネットワークが必要という事でそれをサポートするのが投資家。

日経平均が2万円に行ったのは伊藤レポートなどで日本は今度こそ変わるかもしれないと世界の投資家がびっくりして長期投資マネーを投資したから。価値を高めるための投資であり、(数字を)「工夫しろ」という事ではない。

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後半は草食投資隊+平林さんによるトークセッションでした。会場や事前の質問に対して自由に話す三人をうまくまとめる平林さん、すごいです。

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伊藤レポートについて企業が持っているお金も成長のために使うようにという流れが出来た。配当や自社株買いといった株主還元策はあるものの、それは裏を返すと本業で成長できないという事でもある。

リスクを取らないと大きな成果は出ない。日本経済にペイシェントキャピタル(忍耐強いお金)が求められている。

議決権行使についてスチュワードシップ・コード元年の今年は反対票が多くて企業側も驚いているのでは。コモンズ投信も今年は事前に決めたガイドラインに沿った投票しか出来なかったので来年に向けて対話を進め、来年には単純な○×ではなくしっかり評価したい。