6月24日(水)に『投資は「きれいごと」で成功する――「あたたかい金融」で日本一をとった鎌倉投信の非常識な投資のルール』を出版した新井和宏さんと『チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 』を出版した西條剛央さんの出版記念講演会が開催されました。
新井和宏×西條剛央出版記念講演会
いいチームをつくりましょう
〜ソーシャルと成果を両立させる金融とボランティア組織の共通点〜
日時:2015年6月24日(水) 19:00〜21:20
場所:めぐろパーシモンホール
イントロダクション:
大久保寛司さん(人と経営研究所所長)
物事を本質から考えてチームを組織した西條さんと鎌倉投信の新井さんの講演、さらに大久保寛司さんのファシリテーション付という超豪華なイベントだったのですが、このメンバーだったらもっと聴きたいと思わせながらも強烈なエッセンスを短い時間で浴びせていただきました。
イントロダクションで大久保寛司さんがメモを取るのもいいけれどもライブは感じることが大事と話していました。情報量だけなら本の方が多い。でも、ライブは感じることが大事という事でしたので昨日は私も少しメモを控え目に感じてきました。
「自分という存在を無くしてまずは聞いた事を受け入れる」「物事には意識と仕組みの両方が必要」イントロダクションではこの2点が自分の中に残りました。
大久保寛司:
3.11の時、西條さんは仙台に行って物資が山積みになっているのにそこから奥地に行くと何もない状況を目の当たりにしました。そこで「よし、俺がやってやる」と動き始めました。普通だったら何も機能しない状況で自分に何ができるんだという状況でです。
俺がやると決めて50以上のプロジェクトを作り、想いやまごころ中心に進めていった
結果、今はネパールに伝授されています。これは世界に生かすことが出来る仕組みではないかと思います。
金融はまごころだというのはこの会場にいる人にとっては違和感がないかもしませんが、一歩会場の外に出ると違和感を持つ人が大半だと思います。
彼自身、かつて外資系金融機関で日本で一番大きな金額を運用するファンドマネージャーでしたが、結果として身体がぼとぼろになりました。金融で生きていける人というのはまごころを横に置かれた方ではないかと思っています。
新井さんは身体が病気という形でwarningを出したのではないかと思います。世の中にはすごい企業があります。例えば伊那食品工業のように。
金融というのは企業を助けるのが本来の姿ではないでしょうか。鎌倉投信の社是は「いい会社をふやしましょう」です。いつ誰に聞いてもあの会社はいい会社だねと言われるのがいい会社なんです。そこにCSRのような横文字は不要です。
買う人、売る人、地域の人、働く人、取引先などなどみんながいい会社と言う会社がいい会社なんです。新井さんも金融業界の人から「おかしい」「変だ」「気が狂った」「あんなことはできるわけがない」と言われましたが、日本で最高の評価を得ました。
まごころを中心に置いて金融などできるのか。世間はそんなに甘くない。この言葉でへし折られる人が多い中、信じられないことを実現したのです。
お二人に共通するのは思いやりや助け合い。世の中を良くしたいという想いです。想いだけで何事か実現することはできません。推進していくエネルギーと仕掛け、意識と仕組みの両輪がないとだめです。意識だけだと空回りしますし、仕組みだけだと冷たくなります。
人はなぜ生きるのか。仕事をするのか。いろんな考えがあるでしょう。その先の行き着くところはなんでしょう?
幸せになるためです。
みんな幸せになるために何かをしているのではないでしょうか。自分もそうなら周りの人も思っている。たくさんの人を幸せにしているからお二人は幸せだと思います。無理だ、ありえないと言われることをお二人は実現しましたが、そう言った人の力量と視野ではできないだけなのです。
今日大事なのは感じることです。
言葉だけでは本の方が情報量が多いのでライブは感じることが大事です。
自分を可能な限り無くしていく事。どこにも立たない事。
そのまま聞いて受け入れ、感じ取る。そのような場にして欲しいと思います。
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