6月10日(水)に増上寺光摂殿でお江戸百年塾レポートの続きです。会社は個性という点についてまとめました。右脳と左脳では右脳に訴えることで一般の人に届けたいというのが鎌倉投信です。
お江戸百年塾2015#5
『投資は「きれいごと」で成功する』
講師:新井和宏さん(鎌倉投信 取締役・運用部長)
日時:2015年6月10日(水) 18:30〜20:40
■ 会社は個性
新井:
会社は法人という人です。そこに個性がなければ価格競争だけになってしまいます。
コンプライアンスが最も効くのはルールが無い時です。やるべき行動を全員理解していればルールは不要ですが、やってもらえないからルールがあり、賢い人ほど抜け道を探すようになります。
本来CSR部門は不要なのです。こういった事はどこかの部門に任せてはいけません。任せてしまった時点で他人事になってしまいます。大企業には往々にしてあることですが、IR担当者に数字以外の事を聞いても、関心があるのであれば答えられるはずです。
あなたはこの会社のどこが好きなの?と聞くと大抵の場合答えを用意していません。会社を愛していないからです。でも、中にはニコニコしながら喜んで話す人もいるんです。
会社は人が作ってます。会社っていう人に会ったことないはずですが、この会社は好きとか嫌いとか話す時、人で決めているのではないでしょうか。大企業がだんだん面白くなくなってくるのは個性が無くなっていくからです。個性を作っていく活動をしてください。経営者がそこまで考えると会社は繁栄するでしょう。
■ 客観性と主体性、冷静と情熱
客観性 主体性
冷静 情熱
客観性を強くすると人は冷たく感じます。金融が冷たいと言われるのはその為ですが、逆に情熱でやってるのが鎌倉投信です。
例えばSRI(社会的責任投資)は第三者機関に評価させることで責任逃れができる客観性を持ちます。客観性に過度な依存をすることは責任逃れにつながります。
東京電力は福島第一原発事故の前、多くの社会貢献をしていると言われていました。具体的にどうとは誰も説明しませんでしたが、第三者機関がいいと言っているのでそう思っていますというのは無責任極まりない話です。楽ではありますが、温度は冷めます。
熱くいたいときは右へ(主体性・情熱)。左(客観性・冷静)で論破するのが金融では重要ですが、それでは一般の人に響きません。
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