東洋経済オンラインで地方創成のリアルという連載が良かったので新書も買ってみました。
地方創成が叫ばれて国から地方に予算がついてますが、本当に良くしようと思ったら助成金に頼るのではなく自分達が当事者として腹をくくらないといけないよという内容です。
地方消滅なんて言われていますが、持続可能な形にしようと思ったら単純に東京から人を戻そうとするだけではだめで、魅力ある街づくりをしないとそもそも人は戻ってきません。じゃあ誰が街づくりの主導権を握るんだというと、それは不動産オーナーだというのがこの本の主張です。
アメリカでは不動産のオーナーが街づくりのために投資をするのはアセット・マネジメントとして当然という意識だそうですが、残念ながら日本でそのような考え方をしているのは大手不動産デベロッパーくらいですね。
自分達は大手不動産とは違うと殻にこもるのではなく、地域のオーナー達が一緒に共創することで街に活気が戻り、人も集まってくるようになるのではないでしょうか?それこそリスクをとって投資をするからこそリターンが生まれるのです。
黙っていても人口も所得も増えた日本経済におけるボーナスステージは終わりました。いつまでも待ちぼうけしていた結果がシャッター商店街を生み出しています。著者が自信の失敗体験も赤裸々に告白し、その上で稼げる街作りのための鉄則を紹介した裏には口ではどうにかしたいと言いつつ、やっぱりどこかで他人を頼ろうとしている人達への叱咤激励の気持ちがこもっているのではないでしょうか。

稼ぐまちが地方を変える―誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書 460)
- 作者: 木下斉
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/05/08
- メディア: 新書
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