ひふみのあゆみを元に10月のひふみ投信を振り返ります。
月次リターン
ひふみ投信の10月のリターンは-1.16%でした。参考として配当込TOPIXが+0.56%、Russell/Nomura Mid/Smallが+0.4%でした。月初から月中にかけての下げではTOPIX並、反転局面ではTOPIX以上の反発を見せていたのですが、最後の最後に黒田日銀バスーカの第二弾があり、TOPIXに逆転を許してしまいました。
※東証の指数ラインナップ Russell/Nomura日本株インデックス
純資産流出入額
10月は6.28億円の純流入といつもよりも多くの資金が入ってきました。10月半ばの株価が底をつけていた時に過去最高の入金件数を更新したとか。私も買いましたがひふみ投信の受益者の皆さん、スポット買いのタイミングわかってますね!
純資産総額はひふみ投信が159.09億円、ひふみ投信マザーファンドが317.18億円でした。ひふみ投信とひふみプラスの純資産がちょうど半々くらいですね。
基準価額・日次リスク
ひふみ投信の日次リスク(250日)は18.77です。先月末が17.63%でしたのでまた少しずつ上がってきました。
株式・現金比率
ひふみ投信の株式比率は96.65%と前月から1%程度増えました。投資銘柄も99と増えました。
上位投資銘柄
10月は3位に新規上場したリクルートホールディングが登場、4位にGMOペイメントゲートウェイが久々に顔を出しました。
リクルートについてはマーケットが弱い中で上場したのでこういう銘柄は後々上昇することが多いため購入したのですが、現在は少しポジションを減らしているそうです。GMOペイメントゲートウェイは大きく下げたところを買い増しした結果上位に顔を出しています。
ひふみアカデミー
- 10月はひふみ投信らしい値動き。得意なのはフラットか少し下落な相場。
10月初めから半ばにかけての大幅下落は同じくらい下げて、反発相場には強かったものの、10月31日の急上昇には置いていかれた。 - 前回の金融緩和後の市場の動きは大型の買いやすい業種(金融系など)から買いが入り、市場が大きく上がったあと、調整局面で小型株や他の業種にも幅広い買いが入った。
- 今回の黒田緩和は健全な上昇ではなく底上げ。内需が足下でとても悪い。
- 消費税増税を先送りして解散ということもあるのでは。市場も解散を織り込みつつあるようだ。
- 2015年以降はROE革命が起こるかも。議決権行使助言のISSが5年以上ROE5%以下の会社は取締役再任を否決する方針を出してきた。これは上場企業に大きなインパクトを与える。
運用メンバーからのコメント
- 金融緩和がもたらすものとしてキャノピーエコノミーと呼ばれている。ごくわずかの恩恵をうける層と日の当たらない多くの層に分かれる。エネルギーと生活必需品を除いたコアコアCPIは横ばいで金融緩和でデフレ脱却は限定的。(渡邊)
- 伊藤レポートが重要。JPX400が始まったりGPIF改革も後押し。資金の出し手と使い手の両方がうまくまわることが求められるようになるのでは。(八尾)
- 日本電産の永守会長の話を聞く機会があり、挫折しても高いやる気のまま将来への成果を豪語する姿に数字ではない企業価値を感じた。アナリストとして未来を描きながらも確からしさを織り込んでいきたい。(川崎)
- 星の王子様で「本当に大切なものは目に見えないもの」という言葉がある。目に見えない価値として組織や人、顧客があり、ROEを上げるにもプロセスが大事だと思う。(栗岡)
会場からの質問
- GPIF改革について
→かんぽや年金基金も追随すると思うが、日本株の比率ではなく何の株を買うかが重要。 - 前回の政権交代時にクリンチしたが今回は?
→今回は単純にクリンチしない。前回は乾いた状態で火を付けたが今回はそうではない。大型株の比率を高めるがROEを上げようとする会社にも注目する。 - 選挙で万が一自民党が負けるような事があるとしたらどうする?
→政権交代があった場合は小型株で守ることになると思う - 運輸株について組み入れ理由を
→株価はあまり見ていない。割安割高を見ていてPERを重視。自分にしか関係がない簿価を忘れて時価総額で考えることが大事。 - ホンダについて
- ROEが低い会社は自社株買いなども期待できるのでは?
→既に内部留保の多い会社が増配したり、役員などが議決権で反対しないように機関投資家周りをするような動きがある。ISSの方針に反対するにはそれなりの理由が必要で機関投資家としてその判断は難しい。議決権行使について専門家の意見を聞くことがこれからのテーマの一つになるのでは。 - 三菱自動車について
R&I投信評価
R&Iファンド大賞の選定基準となる定性評価(日本株アクティブ部門)です。