前回の終わりにrennyさんから「どうやって投資したい会社を探していますか?」と問われ、すぐに浮かんだ言葉がある。
- セレンディピティ(serendipity)
やってくる偶然とむかえにいく偶然が出会った時に起きる幸運とそれに気が付く能力のこと。いきなりそんな言葉を持ち出しても意味不明なので、投資する会社探しのポイントを簡潔にまとめてみるね。
私がまず大切にしていることは、
- 積極的に探さない
ネット証券にスクリーニングって機能があるけど、あの手のものは一切使わない。だって仕事で投資をしている訳じゃないから、常に投資したい会社を探し続ける必要はない。
- 投資リターンは投資家人生のオマケ
一度きりの人生だからほかにもやりたいこと、やるべきことがたくさんあるでしょ? 楽しい人生をおくるためのほんの一部として株式投資がある。だから日経新聞などで最新情報を闇雲に追い回したりせず、ちょっと距離をおくぐらいがちょうどいい。
- 偶然出会う感動を投資対象にする
ふとした瞬間に出会う「わぁ、これいいな!」って商品やサービス等。そんな出会いをきっかけにはじめる企業分析は偶然を運命に変える試みといえる。だから少し恋愛に似ているかも。がんばっても報われないことが多いとこもね(笑)
- 好奇心いっぱいに未知なものを追いかける
偶然の感動に出会える回数を増やし、大局観を養うにはこれが一番。でも多くの人は偶然の幸運に気づかずに通りすぎてしまうのかも。私も投資理論や企業価値評価ばかり追いかけていた頃は、何も分かっていなかった。理論なんかより本当に大切なのは、
- 自分の中に価値観や美意識を整える
これがなければ、良いものに出会っても感動なんてできないから。そして自分の内側に確かな基準がなければ、他者との比較・競争に巻き込まれ、何が大切なのか分からなくなってしまう。たとえばインデックス指標に対する短期的な勝ち負けなどはどうでもいいのだ。
以上が「投資したい会社との出会い方」。個別株投資である以上、出会った後は会計などの知識が必要になるけど、出会うまでのところで特別なことは何もしていないんだ。
m@さんがミュージック・セキュリティーズなどでファンドを選ぶ感覚と似ているんじゃないかと思うのだけど、いかがですか?