鎌倉投信の資産運用部長で結い2101のファンドマネージャーだった新井和宏さんが8月15日付けで退任したことが発表されました。
資産運用部長の後任には鎌倉投信の社長である鎌田さんが就任し、結い2101のファンドマネージャーには昨年11月に入社した鞘本さんが就任しました。突然の発表で驚きましたが、新井さんのfacebookで退任に至った経緯と今後の関わり方、そして新会社設立に向けた想いを読み、寂しいという気持ちもありますが、新井さんの新会社に期待したいという気持ちの方が大きくなりました。
結い2101の運用体制について
今後の運用体制については9月5日発行予定の結いだより、そして9月22日の受益者総会、そしてその後に開催される運用報告会で詳細が案内されるそうです。
ファンドマネージャーは新井さんから鞘本さんに変わりますが、結い2101の運用そのものはシステマティックに構成されており、人が変わったことによる影響は軽微だと思います。どちらかというと新規に会社を組み入れたり、既存の組入先との対話などへの影響が懸念されますが、そちらも資産運用部長に社長の鎌田さんが就任されるという事ですので全く変わらないという事はないでしょうが、大きく変わることもないと思います。
ファンドマネージャーが変わったことでファンドの性質が変わる事がアクティブファンドの世界では起こりがちですが、今回のファンドマネージャー交代に関して言えば「いい会社をふやしましょう」という投資哲学のもとに運用される結い2101の運用はほぼ変わらないと言えるのではないでしょうか。
4月の運用報告会では若手育成に注力していると話されていて、今後も運用部での採用を進めて運用体制を強化していくと話していました。当時は若手育成について話しているものの新井はまだまだ辞めませんと話していましたが、想定していたよりも新会社設立タイミングが早まったという事なんでしょうね。
iitoushi-tanken-nisshi.hateblo.jp
新井さんの設立する新会社について
新井さんのfacebookでの挨拶と新会社設立への決意です。特に受益者の方は是非読んで欲しいです。
要点をまとめると以下のようになります。
- 鎌倉投信創業から10年たって非上場ベンチャーへの株式投資が実現できなかった
- 今年4月に三菱UFJ信託が法人融資事業を三菱UFJ銀行へ業務移管したことにより非上場の会社への社債投資の道が閉ざされた
- 代替する方法が見つからず、自分でソーシャルベンチャーの調査・分析、支援を行う新会社を設立することにした
- 現在の金融のルール上、取締役として鎌倉投信と兼任することは出来ず、退任することにした
- 新会社で非上場ベンチャーに対して行うことは主に3つ
1.期限のない株式を取得して長期で応援する
2.必要とされる人財を育成する
3.関わって楽しんでいただける仕組みをつくる - 新会社をできるだけ早く鎌倉投信から投資されるいい会社にしたい
- 新会社の詳細については9月に説明会を開催予定
決して鎌倉投信と袂を分かったわけではなく、むしろ鎌倉投信の特徴でもある非上場ベンチャーへの投資をより強化するために新会社を設立するという事です。
NHKのプロフェッショナルを見たり、最近の新井さんの著書を読むなどして結い2101に投資している方にとって新井さんの退任はショックだと思いますが、鎌倉投信の目指す金融の姿は変わらないと思います。
新井さんが独立したことで近い将来さらに鎌倉投信、そして結い2101がパワーアップする、そんな素敵な未来を想像しました。私はこれからも変わらずに鎌倉投信を、そして新井さんが設立する新会社を応援し続けます。
受益者総会
9月22日に開催される今年の受益者総会のテーマは「人」〜世代をこえて想いを結ぐ〜でした。
IKEUCHI ORGANICの事例がパネルディスカッションで話されるのかと思いきや、結果的に鎌倉投信も次の10年に向けた世代交代が行われました。
プログラムの最後がこれまでとこれからの鎌倉投信について受益者からの質問に答える内容になりました。受益者には是非、受益者総会でこれからの鎌倉投信の話を聞いて欲しいです。