いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

【ひふみ投信】ファンド定点観測2017年6月

月次報告書「ひふみのあゆみ」とひふみアカデミーの内容を元に6月のひふみ投信を振り返ります。

 ひふみのあゆみ 2017年6月度 月次ご報告書

2017年6月のひふみ投信は米国株への投資の開始、免疫細胞療法の創薬ベンチャーであるテラへの第三者割当増資をひふみ投信マザーファンドで引き受けなど新しい動きが目白押しでした。ひふみ投信自体がバージョンアップをしたとも言える内容ですので、今月のひふみアカデミーのYouTube動画はファンド保有者の方には是非とも見て欲しい内容です。

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画像:レオス・キャピタルワークス

月次リターン

ひふみ投信の6月のリターンは+1.44%でした。参考として配当込TOPIXが+2.96%、Russell/Nomura Mid/Smallが+3.22%でした。

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 ※配当込み株価指数の期間収益率(日本取引所グループ) Russell/Nomura日本株インデックス

 

純資産流出入額

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流入:22営業日(100%) 流出:0営業日(0%)

カンブリア宮殿の後セミナーに参加して口座開設した方たちの入金なのか、6月は再びひふみ投信が57億円、ひふみプラスが260億円と合計すると300億円以上の資金流入がありました。

純資産総額はひふみ投信が673億円、ひふみ投信マザーファンドが2,685億円でした。純資産額3,000億円からがチャレンジと藤野さんが話していた大台が目前に迫っています。

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基準価額・日次リスク

ひふみ投信の日次リスク(250日)は15.10%と大きく減少しました。

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株式・現金比率 

国内株式比率は86.0%と+0.5%、今月から海外株式として米国株への投資を開始しています。組入比率は3.1%です。結果として株式比率は89.1%で現金比率は10.9%でした。

投資銘柄数は6月は一気に14銘柄増えて160銘柄になりました。

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上位投資銘柄

まず注目すべきは3位のマイクロソフトと7位のアマゾン・ドット・コムでしょう。超大型株への投資として日本に投資対象が見当たらないため、米国株で代用しています。ひふみ投信としてはあくまでも成長する企業への投資であり、大きな資金を運用するために組み入れざるを得なくなった超大型株というクラスでは米国株がいいだろうという判断です。

TDKのように外需製造業の復活にも引き続き期待しています。じげんは以前から投資していましたが、株価上昇により10位にランクインしてきました。

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ひふみアカデミー 

今月のナビゲーターはシニア・アナリストの栗岡さんです。

  • アメリカ株の投資について日本株に弱気になったわけではない。日本株とアメリカ株の時価総額上位を比較するとアメリカ株の方が若いオーナー経営者が揃っていて(バフェット除く)強そう。
  • 東証株価指数を上回る成績を出そうとしていて、それには日本の時価総額上位銘柄への投資では物足りなさを感じる。そこでビッグ5と呼ばれる米国超大型株の中からマイクロソフトとアマゾンへ投資した。マイクロソフトはビッグ5の中で一番出遅れていてつまらない会社だがSNSやクラウド分野で追い上げている。
  • 海外へも調査に行っている。昨年からシリコンバレーにもアナリストを派遣しており、栗岡さんも深圳にいっていた。日本の強みは中堅中小企業で、ここはこれからも頑張って投資する。しかし、日本の会社の競争力をグローバル目線で比較して海外の方が良ければ海外にも投資する。中国、インド、韓国などグローバルエコノミーのダイナミズムを感じていただければ
  • 失われた四半世紀と呼ばれているが、大企業が伸びていないだけで中堅中小企業の純利益、経常利益はバブル後最高を更新している。地方との格差が広がっているとも聞かれるが倒産件数も減っているし負債総額も減っている。
  • どうやって成長する会社を見つけるのか。社名に漢字がない、そして本社所在地が東京都千代田区、中央区でない非帝都銘柄のパフォーマンスがよい。レオスはちょっと残念(笑)
  • デファクトを取る力はアメリカ、中国に負けるが日本製のニッチな部品を売り込んでいく姿勢に期待。
  • テラへの第三者割当増資について
    免疫細胞療法の創薬ベンチャーで膵臓がんに適用して5年生存率を上げたり完治させようとしている。資金需要があったので10億円の増資を投資信託として引き受けた。これは日本の投信としてほぼ初めてのケースで大きな挑戦。
    未上場の間はベンチャーキャピタルが投資しているが、上場して時価総額300億円くらいまでベンチャー死の谷に陥る。せっかく成長できるのに資金がない会社に投資をすることで会社が成長して社会的な役割と、利益が出て投資したお金もしっかり増えていくモデルにしたい。
    通常の投資信託では資金が出ていくのでこうした事はできないが、ひふみは長期投資ファンドなのでこうした事ができる。投資の根幹は人の可能性への投資。
  • ひふみ投信の投資戦略
    成長株への投資
    外国株への投資
    自由な投資戦略
    上場ベンチャー株投資
    当社、投資先、お客様、社会の四方よしに。
    レオスのミッションは「資本市場を通じて社会に貢献します」
  • お金の役割についてポジティブに考えて欲しい。儲けを目指して博打をするのでは無く結果的に儲かる。村上龍さんが言った「信頼と希望のファンド」へつながるのでは。

先月のひふみ投信

1年前のひふみ投信