"いい投資"探検日誌 from 新所沢

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています

結い2101運用報告会(2017春)at 鎌倉投信本社に参加しました

4月8日(土)に鎌倉投信本社で行われた結い2101運用報告会に参加しました。 

新井さんの2冊目の著書「持続可能な資本主義」が上梓されたばかりという事もあり、運用報告の中にサブリミナル効果のようにちょいちょい本の内容が織り込まれた運用報告会でした(笑)

ちなみに新井さんと一緒に運用部にいらした稲葉さんがこの春鎌倉投信を卒業されました。再び新井さん1名体制になりましたが企業への訪問調査、運用責任者のアシスタント業務を担当するインターンシップを募集中です。ご興味のある方は是非!

IKEUCHI ORGANIC 

4月3日(月)の朝日新聞一面トップに投資先のIKEUCHI ORGANICさんが掲載されました。

持続可能にするには産業構造を変えないといけないとタオルもメンテナンスした方が価値が上がるならメンテナンスするように準備を進めています。古民家と一緒です。 

今の状況だとそんなに儲からないのですが、長く使ってもらうためにタオル屋さんなのにクリーニングの免許を取りに行っています。その背景には環境負荷を減らしていきたいという想いがあります。 IKEUCHI ORGANICさんは一回倒産している会社で金融機関から資金を借りられませんでした。

皆さんからの支えがあってここまで来ることができました。そう思うと感慨深いものがあります。なくなっていたかもしれない会社なんです。

朝日新聞で取り上げられて鎌倉投信にも資料請求がたくさん来ました。2面にIKEUCHI ORGANICさんに投資している会社として鎌倉投信も便乗させていただいたんです。

IKEUCHI ORGANICさんは素敵な会社なので応援してください。

NPO法人いい会社をふやしましょう

NPO法人いい会社をふやしましょうのいい会社の理念経営塾第5クールに登場する会社をいくつか紹介します。

ニコ・ドライブ(第4回 8月2日)
あるいい会社の社長からの紹介で知った3名の会社です。 今は障がい者が車を運転しようとすると改造が必要になります。そうすると改造した瞬間に中古車市場で価値が0円になってしまいます。 ニコドライブでは車を改造しないでいいアタッチメントを製造販売しています。

世界中のどんな人もクルマで移動できるように経営理念の策定から協力しています。 こういう会社を皆さんにも知って欲しいと思います。

シュアール第5回 10月3日)
手話での翻訳サービスを提供しています。
聴覚障害者が電話問い合わせすることは難しいので電話問い合わせを代行する会社です。小さいけれどもこれからが楽しみな会社です。

鎌倉投信としてもこのように支援しながら将来の投資先を育成しています。第5クールの「命の使い方」ではこれからいい会社になってもらおうとしている会社が集まっています。

運用報告 (2016/4/1〜2017/3/31)

概況

純資産総額:263億円(+15%) 
顧客数:16,769名(+7%)

昨年と比較すると顧客数の伸びが鈍ったように見えますがNHKプロフェッショナルの反響の反動です。元に戻っただけで減ってはいません。

あとはマイナンバーの導入がマイナスに影響しました。開示したくないというお客さまが多く、新規申し込みをキャンセルしたり既存のお客さまの中にも解約された方も残念ながらいらっしゃいます。「君たちはあんな制度に加担するのか」と言われたこともありますが、法律で決められたことですので対応しないと免許が取り上げられてしまいます。 ちなみに、あのファン株主の多いカゴメの株主数も減っています。

積立比率:57%(-3%) 

プロフェッショナルを見て口座開設された方は年齢層が高くスポット購入が中心のため、若干減りました。 だいたい60%くらいになるのかなとみています。

組み入れ銘柄数:61社(+3社)

1年おきに10社増えています。だいたい毎年5社くらいのペースで増えていますが一昨年はNHKプロフェッショナル効果で残高が急に増えたので投資先もそれに合わせて増やしました。昨年は通常ペースに戻しています。

テーマ別投資先会社数:人 22社 共生 21社 匠 18社 

非開示はA社、B社の2社。この2社は開示基準に達していません。現在一銘柄あたりの比率は1.3%。月末時点で基準1.3%の60%に達すると会社名を開示しています。

全売却(1社)

昨年は1社全売却しました。サクセスホールディングスは新規認可保育園で間伐材等を利用する自然教育を評価していましたが、大株主が変わって社長が交代しました。新しい経営陣ではこれまでの経営理念は引き継がれない事から全売却を判断、流動性がほとんどないので1年以上かけて全売却を完了しています。

サクセスホールディングスと鎌倉投信は上場時からお付き合いがありましたが、創業者が2015年に株式を売却した事により経営方針が変わりました。前社長の野口さんはその後トビムシに入社して竹本さんと2人代表取締役という体制になり、他の保育園事業をしている会社に対して間伐材を使った自然教育を営業しています。

昨年の受益者総会で保育がサクセスHDではなかったのはその影響ですが、全売却を終えるまでは開示できませんでした。

今年の受益者総会ではキッズスペースをピジョンの保育関連会社ピジョンハーツさんにお願いしました。 こちらは事業所内保育、企業内の保育をメインでやっている会社です。待機児童問題を解決しないといけないという事で今後も鎌倉投信は投資先の会社と一緒に取り組んでいきます。

基準価額:16,814円(+6.9%)

基準価額は運用開始から7周年の日(3月29日)に初めて17,000円を超えました。 運だけはいいんです。運用報告の前に高値更新するので神様は優しいなと思っています。 運用とは運を用いると書きますので運が良くないといけません。今後も年輪のようにしっかり運用していきたいと思います。

フローからストックへという事を新著で書いていますが、なぜフローがダメかというと壊して作り直す特需で経済効果があるとみなすからです。 戦争は最終的には経済効果はないと言われていますが、それは長期的な話で短期的には数字が上がります。そんな経済にしちゃいけませんね。このように本の内容を差し込んでいきます(笑)

基準価額とリスクは落ち着いてきたので株式のウエイトを増やそうとしています。株式組み入れ比率は少しずつ上げていく事になります。一方でここから先はトランプリスクもあり、怪しんじゃないかという事で一気に株式比率をあげることはしません。

株式比率:56.4%(+3.0%)
現金比率:40.0%(-2.5%)

市場別構成比はそんなに動きはありません。変わりなければ問題ないと思ってください。

業種別もそんなに変わっていません。業種当たり20%超えないようにポートフォリオを組んでいます。

個別銘柄の構成はどこかに集中しないように基本的に均等配分にしています。 少ないところはまだ投資が進んでいない日が浅い投資先か未上場の会社になります。

補足する会社として野菜苗を作っているベルグアースは株式保有比率を4.5%で止めています。発行株式の5%以上保有するとお互い大変になるためそのようにしています。

下落リスク管理で見ると簿価ベースの価格が伸びていない事がわかります。
危機的な事が発生した時の下値ベースになるのが簿価(PBR=1.0倍)と見ていますが、株価の伸びに簿価が追いついていません。 株式市場の割高感が反映されたPBRが高い状況です。 ただし、株価が急落した時に20%以上基準価額が下がらない様に逆計算して株式ウエイトを決めています。

企業業績を純資産+配当金額の増加率を見ていますが50%超えたくらいです。運用開始から7年で年率になおすと7%程度の成長をしています。 年率5%程度の成長を見込んでいましたので順調に進んでいます。

第三者評価としてシャープレシオを見ると上位1/4に位置しています。良くもないですが悪くもない中途半端な位置ですね。

社会形成

マイファーム
レンタル菜園、農業を志す人向けのアグリイノベーション大学、そして農業を始めた人が野菜を売るための販路としての八百屋をしています。アグリイノベーション大学のテキストがあるのですが日本語と英語が併記されています。

慣行農法では環境だけでなく人的被害もあるため、日本に留学してきた学生さん安心安全な食事を現地に届けたいと有機農法を学ぶ際のテキストにもなります。鎌倉投信も裏に畑があるのでこのテキストは社員に大人気で順番待ちになっています。


トビムシ
皆様のおかげで2009年の創業以来初の黒字になりました。以前受益者総会で関連会社の西粟倉・森の学校が黒字になった事を発表しましたが今回はトビムシ本体が黒字です。

理由はトビムシに元サクセスHDの野口さんが加わり力添えした事によるものです。単純に言うと戦力が倍になりました。地方創生予算の対象としてトビムシに対して声がけが多いものの、対応できる人が足りない状態でしたが野口さんの入社によりトップが2人体制で各地でコンサルをすることができるようになりました。

関連会社の地域商社は現在3カ所で展開しています。

岡山県の西粟倉村は岡山県と鳥取と兵庫の真ん中くらいに位置していて最近だと智頭の大雪でニュースになりました。そこで林業再生に取り組んでいます。(株式会社西粟倉・森の学校

2か所目は飛騨。飛騨古川にFabCafeという3Dプリンタやレーザーカッターなどがあるクリエイタ向けのカフェをしています。飛騨のFabCafeは地域の木を使って木工加工を地域の人と一緒にというコンセプトでやっています。(株式会社飛騨の森でクマは踊る

昨年、名古屋や三重の高校生を連れて行ったのですが、高校生がものすごくくいついていました。 飛騨高山は観光客も来ますが、飛騨古川はほとんど観光客のこない街なのに外国人クリエイターが大勢来ているのを見てテンションがあがってしまい、17時終了が18時に延長、更には夕飯もいらないからもっと見ていたいという声もありました。

3か所目の奥多摩は東京の企業と連携しながら間伐材を都内で使っていこうという会社です。(株式会社東京・森と市庭

今年はトビムシ本体が手掛けるそれ以外のコンサルティング事業が増えました。今のうちに体力を付けて林業再生の軌道を作っていこうというフェーズに入りました。これも支援していただいた皆様のおかげです。 数字でいうと一番のお荷物ですが、数字でないところがたくさんあるのでなんとか支えきりたい会社です。鎌倉投信と同じタイミングで黒字になったというのも感慨深いところです。こちらにもいい会社訪問を企画したいと考えています。

ベルグアース・マイファーム
ベルグアースとマイファームが業務提携しました。 ベルグアースは野菜苗最大手で山口さんはマイファームの社外取締役もしているのでこの提携は順当だな、良かったなという感想です。

京都で総会をした時に山口さんは農業人口は減った方がいいと言いました。 逆にマイファームの西辻さんは農業人口を増やそうとしています。でも、二人にとって対立軸にならないんです。それは今の既得権で生きている農業人口は減った方がいいというのが山口さんの発言の真意です。新規参入を支える仕組みを作らないといけないという意味において中身は一緒なので価値観を共有しているんです。農地のない人が農地を手に入れるのは大変です。

松山でレンタル農園でも提携したので松山にもいい会社訪問を秋以降に企画しようとしています。ただ、本を出した関係でツアーを組めない状況です。

オイシックス
オイシックスと大地を守る会が合併しました。背景にあるのが業界はらでぃっしゅぼーやと生協との4社による4つ巴のどんぐりの背比べ状態でした。 思ったより有機野菜の直販は普及しない中、次の一手がないという事でオイシックスを残して大地を守る会が吸収されました。

もちろん大地を守る会の藤田さんの年齢も関係するのですが、業界のことを考えると後継者は一緒になった方がいいという判断です。藤田さんとは過去に話していて、未上場なので投資はしていませんが株を譲ってやってもいいと言われたこともあった会社です。直販の野菜はたくさん普及してもらいたいと思います。

進んでいないこと

ヤマトホールディングス
ヤマトの残業代未払い問題は直接怒りに行きました。 今現在、ヤマトHDの追加買い付けは止めています。 本質的に大変なの問題なので解決まで時間がかかると思います。時間をかけながら対応していきます。

ヤマトは素敵な会社なので「素敵な会社のままでいて欲しい」と言い続けるためには株主でいないといけません。 会社にプレッシャーをかけ続けます。私たちは会社にものは言いますが言う方向が一般的なアクティビストとは違います。株主の権利を訴えるのではなく「いい会社になってください。裏切らないで。」これを言い続けます。

皆さんに説明できる状況になるまで追加買い付けはしません。その方針を投資政策委員会で決定しました。

受益者総会

9月9日(土) 場所は京都国際会館で今年のテーマは匠です。 

昨年の受益者総会はネット視聴を含む最終的な参加者は1,455名でした。約16,000人の受益者の10%弱に相当します。この時期の京都は宿が取りにくいので皆さんには早めの宿の予約をお勧めします。時間はだいたい12時くらいから17時くらいまでを予定しています。
企業展示は匠をテーマにこどもに体験してもらえるものを用意します。

持続可能な資本主義

持続可能な資本主義を上梓しました。新たな日本の資本主義を作っていこうという事で三方よしから八方よしへと言っています。 本の中では実際の例を投資先、投資先以外を含めて紹介しています。

持続可能な資本主義

カゴメ
万年割高な会社がなぜ成立するかというとファン経済は多くの場合合理的に行動しません。例えば粗大ゴミを捨てる場合200円と300円だと200円の方を選ぶと思いますが趣味の場合は必ずしも安い方を選びません。

例えば電車の車内販売のワゴンを売っていたとして鉄っちゃんは欲しがりますが、そうでない人にとってはいらないものでゼロ円の価値しかありません。でも、欲しい人には価格がつきます。 趣味の世界になると欲しいものには一般的な価格の判断をしなくなるんです。 なぜなら好きだから。 人間は好きだからが優先されると合理的な判断になりません。

カゴメはファン株主が多いので株価が割高で放置されます。一つにはカゴメの優待が欲しいという個人株主の想いがあります。 個人株主が20万人いるのはすごい事です。株主の種別で個人が50%を超えているんです。 他の会社はオーナーか機関投資家が上位に来ますが半数以上個人というのは大きな会社ではなかなかありません。

ファン経済になると効率的な判断で無くなっていきます。価格がすべての説明要素でなくなるんです。

安すぎるのは何かが問題です。どこかが犠牲になっているんです。 鎌倉投信ではどこに投資しているかすべて把握できるようにしています。儲けだけでない、だから鎌倉投信に参加しているというお客さまに支えられています。

例えば銀行は軍需産業にも融資しているのが現状です。日本ではそうした事を開示していないから預金者が関心を持たないとそうなるんです。消費も投資も中身が見えていない事のリスクを理解して欲しいと思います。エシカルが金融の世界でもエシカル金融と言われるようになりました。

カヤック
面白法人と名乗っていますが、株主を人事部化しようという試みをしています。 株主の紹介で入社した人に鳩サブレを39枚プレゼントという。39枚=サンキューです。

上場してもこうやってふざけ続けているのがすごいです。鎌倉の事務所が手狭になったので横浜に移転しましたがようやく鎌倉に戻れる目途がたちました。これから2〜3年かけて戻ってきます。 ユニークな会社でまだまだこれからが楽しみな会社です。

サイボウズ
配布資料にサイボウズ vs Amazonというページがあります。これは本で没にされたので皆さんにはぜひ取っておいて欲しいと思って入れました。 どちらも利益ゼロを目指していますが、再投資先が事業拡大のAmazonと社会への投資というのがサイボウズです。

新しい資本主義の形という意味でサイボウズとAmazonは似て非なるものだという事がわかっていただけると思います。社会性が内在してるサイボウズがこれからの社会を作ってくれるのではと期待しています。