いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

セゾン投信ブロガーズ・ミーティング2016に参加しました

12月26日(月)にセゾン投信の会議室でブロガーズ・ミーティングが開催されました。

ブロガーからは私の他におぱるさん、吊られた男さん、NightWalkerさん、まっき〜さん、水瀬ケンイチさん、虫取り小僧さん、森村ヒロさん、夢見る父さん、rennyさんの合計10名が参加しました。

今年のお題はフィデューシャリー・デューティーの取り組みについての報告と個人型確定拠出年金(iDeCo)への参入についてでした。

最初に中野さんからフィデューシャリー・デューティーへこの1年取り組んできた事についての報告があり、その後廣江さんから個人型DCへ参入したことについてお話がありました。

1.フィデューシャリー・デューティーの考え方と取り組み(社長:中野さん)

中野:

セゾン投信は2017年3月で10年を迎えます。
最初は10年後にこんなになっていることを想像できませんでしたが、支えて下さったお客様や皆さんに感謝しています。

金融庁がフィデューシャリーデューティーの推進に本気で取り組んでいます。
業界全体にどうやって浸透していくのか、来年は日本にちゃんとした資産運用が根付くかどうかの分かれ目という強い思いを持って取り組んでいます。 
セゾン投信はいち早くフィデューシャリー宣言をしましたが、これをどういう形で実践していくのかが昨年の皆さんの関心事でした。

12月22日にHPでフィデューシャリー宣言についての考え方と取り組み状況について公表しましたが、それは当社のすべてのお客様、また関心を持ってくださっている一般の生活者の皆さんに向けて書かれています。

ついつい金融庁に顔を向けて考えがちですが、世の中に向けて出しています。皆さんにはそれを共有しながら見ていただきたいと思います。

趣旨を話すと、これを読んでいただいてどういうことだったのか具体的にこういうことを意味することを理解してもらうための解説文です。

金融庁が2017年の早い時期にフィデューシャリー・デューティーを原則としてコードにしていく意向を示しています。
これですべての運用会社が受け入れるか、受け入れないのであれば理由を説明する流れになっていきます。 
最初から自主的にすると最初から骨抜きな宣言を出すという問題があると言われていて、それでコード化という流れになってしまいました。 

当社ではお客様への忠実義務というシンプルな内容を遵守しているか、考え方に沿った経営判断しているか自己検証した結果を報告書にまとめました。

 フィデューシャリー・デューティーの肝は2点あります。

1.経営の独立性の確保
本当に独立した経営判断ができることが担保されているのか
独立した企業体としての判断を貫いているか

2.利益相反
お客様との利益相反はないか 
ステークホルダーの中で顧客本位が守られているか

これをちゃんと見える形で履行されている仕組みがあるか報告しています。例えば利益相反として株主であるクレディセゾン、日本郵便との関係について運用者と特別な関係は存在しない事を確認しています。

また、これまで直販原理主義という訳ではありませんでしたが直販だけでやってきたのを確定拠出年金で外販することに踏み出しました。
楽天証券との関わりについても特別な関係はないことを自己点検して記しています。

皆さんが気になるのは報酬の合理性についてではないでしょうか? 

セゾン投信はいつも、できる限りこれからもコストを少しずつでも下げていきたいと考えていますが、今現在まだそれが履行できるところに至っていないのが現状です。

合理的な報酬についてわかりやすく共有できるように整理している最中ですが、これを端的に言うと「一切のピンハネがない」という事です。

シンプルに解説すると「健全な長期投資」の履行をお客様にはお約束していて、そのために最低限必要な費用とそれを担保する報酬が双方納得のいく合理性だと思います。

最終的には株主である資本家が求めるリターン(資本コスト)が更に上乗せされますが、資本コストを上回る分については投資家に戻す仕組みを作ることが今後の課題です。

一度約束したらそうじゃないことはできなくなるため、どのくらいのペースでコスト削減できるのか従業員への利益還元もガラス張りにして投資家にもこれだけというのをまとめている最中です。

フィデューシャリー委員会をたちあげ 、それぞれの事業部の長がメンバーとなって月に一度集まって検討事象や点検について議論しています。 そして取締役会で報告したものを皆さんに報告しています。

<質疑応答>

Q.
日本郵便とセゾンの提携がありましたが、日本郵便ともフィデューシャリー・デューティーに合意した上でDCに販売したり、楽天で一般販売する予定はありますか?

A.
直販を大事にしていくのは未来永劫変わりませんが正しい長期投資を推し進めるパートナーと組むのは否定する物ではありません。
個人型確定拠出年金の分野で協業した楽天証券については価値観が共有化されているので一般販売するのであれば最右翼と言えると思います。 

楽天証券とはとことん話して信頼の置けるパートナーと思っていますし、 楽天証券の第二ステージという考えを持って個人型確定拠出年金に参入しました。 

目先の利益ではなく社会的な意義が大きいので個人型確定拠出年金に参入しており、それは将来的に楽天証券の企業価値があがるのではないか、次の社長への置き土産になるのではないかと思っています。

Q.
楽天証券でファンドを販売することについて株主はごちゃごちゃ言わなかったのでしょうか? 

A.
ちょっとだけ。
私たちもせっかくなら郵便局でやりたかったのですが、今のゆうちょ銀行のDCラインナップにセゾン投信のファンドが入ってもお客さんを幸せにできないのではないかと判断しました。

Q.
日本郵便の社長が横山さんにかわって何か変わりましたか?

A.
まだ大きく変わってないが大きく変えたいという意思は伝わっています。
大きな組織なので変化には時間がかかると思います。

Q.
楽天証券の個人型確定拠出年金口座でのセゾン投信のファンドを購入した人数もカウントすることはできますか? 

A.
直販ほど細かく実態はつかめないが教えてくれると聞いています。 
楽天証券とは守秘義務契約があるが、交渉して出せる部分は出していきたいと考えています。

Q.
資本コストを上回る利益について受益者に配当するみたいなシステムはいつ頃実現できそうなのでしょうか? 

A. 
やれるところからやりたいですが、そのロジックの正確なものが現状ありません。 
将来への成長投資も必要なのでその整理が必要です。
一年後にはかなり精緻にできていると思いますが、1ベーシス(0.01%)でも姿勢を見せるのはやってもいいと個人的には思っています。

今年度は数千万台後半の利益になる見込みです。

Q.
セゾンカードでポイントの運用サービスが始まりましたがセゾン投信としてもセゾンカードホルダーへの優遇などそういったものはあってもいいのではないでしょうか?

A. 
クレディセゾンやマネックス・セゾン・バンガード投資顧問とは双方で取り組みを意図的に遮断しているところがあり、細かい状況は把握出来ていません。長期投資をしっかりと後押しする仕組みであれば。

2.個人型DC事業について(事業推進部:廣江さん)

廣江:
セゾン投信は今年個人型確定拠出年金(iDeCo)に参入しました。 
参入するのはなぜ? なぜ楽天証券?参入して何をするのかといった事をお話させていただきます。

まず、なぜ個人型確定拠出年金に算入するのかという点については制度そのものとセゾン投信の哲学が完全な合致したからです。
これまで制度としては良いものでしたが使われてこなかったのが使い勝手が改善されることで取り組むことの社会的意義も感じています。

セゾン投信は直販原理主義ではありません。
何をしたかったのかというとシンプルな商品を提供してお客様にまっとうな投資をしていただくという事であり、その商品とやり方のセットが直販でした。

個人型確定拠出年金に参入することでセゾン投信の考え方を飛躍的に拡大できるのではないかと考え、様々なことを検討した結果メリットの方が大きいと判断しました。

楽天証券とはリーダー同士が共感し合い、言葉だけでなくプランもしっかり低廉につくってきてお客様本位を形で表せたのではないかと思っています。

個人型確定拠出年金は長い時間をかけてじっくり取り組んでいくもので全方位型に様々な運営管理機関と手を組むのではなく、しばらく拡大は抑えて楽天証券と手を組んでしっかりと取り組んでいきます。

ただ、制度で長期投資を守られているので将来的にはどこの運営管理機関だけということで限定的される話ではありません。
例えば窓口で制度を説明してくれたり受け取る際の相談にのってくれる会社との協業の可能性や株主であるゆうちょ銀行での取扱についても検討が必要だと考えています。

きんゆう女子。と提携して年金制度の連載を始めましたが、アライアンスバーンスタインとも確定拠出年金ビジネスで協業しています。

Q.
確定拠出年金についての教育が必要だと感じています。

A. 
セゾン投信でも確定拠出年金のセミナーを始めていて、まずはどんなものなのかを伝えています。 
学んだ結果行動を起こしている人が悩むのが税制です。 

よくあるのが一時金として確定拠出年金を受け取った瞬間にその現金を現金のまま持ち続けるというものです。
未来永劫受け取った現金をそのまま持つ必要は無く、受け取ったお金をまた投資したっていいんです。
セミナーで各地を回っていて一番の罠はここではないかと感じています。

<感想>

私は個人型確定拠出年金を楽天証券に変更手続き中です。

セゾン投信には密かに運営管理機関としての参入を期待していたので楽天証券での販売か・・・と最初は思っていましたが、お話を聞いて楽天証券の個人型確定拠出年金で良かったと思いました。

中野さんからはセゾン投信のファンドのコスト逓減についての案についても話が出ましたが、これは数年のうちに実現されるのではないかと思いました。

来年は創業10周年を迎えるセゾン投信。
今後も期待しています。

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