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"いい投資"探検日誌 from 新所沢

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています

コモンズ30ファンド7周年記念イベント(東京)に参加しました(1)

4月2日(土)に大井町のきゅりあんでコモンズ30ファンド7周年イベントが開催されました。今年のテーマは「コモンズ30ファンドの魅力を(改めて)伝える」でした。まずは前半のレポートです。

第一部:運用報告

オープニングでは会長の渋澤さんから7年前にコモンズ30ファンドを始めた時はリーマンショックの後で地面がカチンコチンに固まっているような状態でしたが、その時に撒いた種が7年たって花が咲き始めたのが今年なのではないか?というお話がありました。

「7年というのは1週間と同じと考えると、また新しい1週間が始まる」という言葉が印象的でした。

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続いての運用報告では社長の伊井さんから5つのPと1つのAでコモンズ30ファンドの第7期の振り返りがありました。

Philosophy(哲学):

コモンズ投信を創業する時、企業側からは長期的な目線で投資してくれる会社がいないという声が聞こえてきました。一方で長期的な投資をしたいのにそれに応える投資商品がないという声がお客様から聞こえていました。両者をつなげて長期投資のサイクルを生み出すことで資本市場に貢献したいと思い、コモンズ投信を創業しました。

金銭的な価値だけでなく、社会的な価値を共有していきたいと思っています。

People(人材):

投資委員会は6人で構成されていますが、全員フラットな立場で投資先について検討しています。全会一致で投資をする、全売却をする判断をしています。

Process(投資プロセス):

30年目線で30社に対話を重視しながら投資しますが、30年後を予想しているわけではありません。20年〜30年と言われている事業サイクルを乗り越えて成長していけると思われる強い企業を選んでいます。ウォーレン・バフェットなど長期集中投資している投資家やファンドの多くも20〜40社への投資を行っています。

長期で投資できるので企業側も胸襟を開いて話をしてくれることがありますし、直販という形でお客様とつながってもいます。また、お客様と投資先の企業がつながることもできます。

強い会社で成長が出来そうな会社という事で100〜150社くらいが選ばれ、その中から30社に厳選します。投資委員会で議論となるのは次の5つです。

 見える価値 :収益力
 見えない価値:競争力、経営力、対話力、企業文化

Portfolio(ポートフォリオ):

コモンズ30ファンドでは投資先30社のうち19社が海外売上高比率が50%超で6社が80%超です。日本株に投資をしていますが、世界の成長を取り込むことができるポートフォリオです。

 → 投資先企業(コモンズ投信HP)

Performance(パフォーマンス): 

第7期のコモンズ30ファンドは-0.7%でした。ベンチマークではありませんが、同期間のTOPIXは+1.1%と今期はTOPIX以下の成績でした。今期は業績のよい企業があまり買われなかったのがそのため、今期は分配金は出していません。コモンズ30ファンドの純資産額は132億円です。

Action(アクション):

2014年はスチュワードシップ・コード、2015年はコーポレートガバナンス・コードが始まりました。コモンズ投信では議決権行使についても独自のガイドラインを制定し、対応しています。

結果として2014年の反対14件から2015年は反対44件と反対票が増えました。主にガバナンス面で反対しており、社外取締役は2名以上、ただし8年以上の社外取締役はカウントしていないというようなガイドラインに則った議決権行使を行っています。

第7期では新規組入はデンソーのみ、全売却銘柄はありませんでした。

2015年10月には静岡銀行と資本業務提携しました。長期でお客様の資金を増やしていきたいという考えで共通しており、数年前から情報交換していましたが、資本業務提携となりました。

モンズ投信の魅力:
守りながらふやす投資信託です。
積立での投資を行うことで売買タイミングを気にせず、長期的に成長する企業をハラハラドキドキしないで続けることで長期でお客様の資金をふやしていきたいと思っています。

 

その後、疑似投資委員会という事で第7期に新規組入先となったデンソーについて5つの軸で評価する様子が再現されました。

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益力:

主に営業利益率やROE、配当政策を評価していますが、デンソーが競合他社よりぬきんでて高いわけではありません。ポイントはただ高いか低いかではなく持続的に高いかどうか、株主還元についてもしっかりとした考えを持っているかどうかを評価します。

デンソーは製造業でグローバルに展開しており、自動車業界は今後も安定成長が見込まれると判断しました。

争力:

技術力や技術革新など業界のリーダーとして勝ち残っていくであろう会社として注目しました。自動運転が自動車業界の一つの方向性と考えています。

営力:

経営者は一番大切なポイントです。優れたリーダーシップを持ち、多様性のある経営体制が築かれ、トップを中心に企業価値を持続的に向上させる意識があるか判断しています。

デンソーはトヨタが筆頭株主ですが取締役は1名しか送り込まれておらず、ビジネスとしては任されています。生え抜きの方が多く取締役になっていますが、社外取締役は2名です。ヨーロッパは半分、アメリカはほとんどが社外取締役ですのでいずれ日本も社外取締役が増えていくのではないかと考えています。

話力:

2004年にコモンズ投信を構想したとき、物申す株主が注目を集めていました。でもそれは経営者と株主の対立で、対話であればもう少し関係も長続きするしお互いに気づきがあるのではないかと考えました。投資した後も持続的に成長できるのか、苦しい時の判断材料にもなります。

業文化:

デンソーは万年優良株と言われていますが、戦後のインフレの中金融引き締めが行われた事で経営危機に陥ったことがありました。トヨタも取引銀行も助けてくれない時にライバルのボッシュが手を差し伸べてくれました。

理念が大切だなと思いました。そうしたデンソースピリッツをいかに新しい社員にも伝えていくか、そうした企業文化を評価しています。

第一部感想 

コモンズ30ファンドがどういった運用を行っているのか丁寧に説明されていました。特に昨年新しく組み入れたデンソーについて5つの軸に基づいての解説はどのような価値観で投資先を決めているのか具体的な話があったのが良かったです。

合議制で投資していることを初めて知ったという参加者もおり、目論見書や月次レポートなどに書かれているとはいえ、目の前で話で聞くからこそ頭に入る事もあると思います。 

残念ながら第7期は参考指標となっているTOPIXに劣後する結果に終わりましたが、コモンズ30ファンドが行っている長期集中投資について参加者の理解が深まったのではないでしょうか?