いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

【いい会社訪問】 マザーハウス レポート(2):マザーハウスの商品開発・スタッフ

2月25日(木)にマザーハウス本店で開催されたいい会社訪問(マザーハウス)レポートの2回目はマザーハウスの商品開発とスタッフさんについてです。

いい会社訪問(マザーハウス)
 日時:2016年2月25日(木) 20:00〜21:30
 場所:マザーハウス 本店

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マザーハウスの商品開発 

マザーハウスでは自社工場を持っているという強みを生かして少数のロットでもお客様の声を聞いてバッグを作っています。
最初はマイノリティの人向けに作った商品が思わぬ人達からも使いやすいと人気を集め、使いやすいという事は色んな意味でのイノベーションだと気づかされました。

新井:
マザーハウスの商品もいくつか紹介してください。

山崎:
このザダンバックパックは座談会で作った商品です。
お客様の声を聞きながら工場とSkypeつないで直接話したりもしました。
普通はこういうものづくりにお客様の声は聞きません。
なんでも夢みたいな事を言うから聞きたくないというのがデザイナーの本音ですが、やってみたら楽しかったんです。
そして実際にたくさん売れました。

スタッフ:
ウエストポーチは片麻痺の方向けに作ったものです。
嫌な話ですが、片麻痺の方を狙ったひったくりなどが多いんです。
それで外に出たくなったという方が大勢います。

こういう風にして欲しいという声を聞きながらかっこいいサンプルが出来あがりました。
サンプルを見ているうちに彼はバッグを使いたくなり、外に出かけるようになっていました。
「この間サンプルをつけてどこそこまでバスで出かけたんだよ。」と明るく話してくれる姿を見て、バッグは生活の一部になったんだなと思いました。

マイノリティの人向けに作りましたが、実際は一般の人も買ってくださいました。
例えば自転車乗りの人にとって片手で使えるバッグはとても便利です。
こういうバッグは色んな人に使いやすいイノベーションなんです。

乳がんの経験者向けに痛くないバッグを作ったこともあります。
最初は正直あまり売れないだろうと思って50個作ったら3日で売り切れました。
4万円のバッグです。
お客様から「他にも要望は出していたけれども実際に作ってくれるところは何処も無かったんです」と感謝の言葉もいただきました。

世の中大量生産が主流になった結果、最少ロットという問題がうまれました。
マザーハウスは自社工場があるから少数でも作ることができるんです。
そういうところにすごくニーズがありました。
実はそういう人達にポテンシャルがあることを教えてもらいました。 

マザーハウスのスタッフ

マザーハウスの店舗スタッフさんは皆さんマザーハウスへの愛に溢れていると感じました。普段は仲がいいけれども議論になると白熱するというのも納得です。
想いだけでなく利益もしっかり出しているのが素晴らしいと思います。

新井:
たくさんあるバッグそれぞれが途上国で生産したというのを除いても戦える価値を持っています。
お客様の声に応えられる小さいところをうまく使って素敵なもので実現しています。

スタッフさんにお聞きしますが、なぜマザーハウスに入ったんですか?

スタッフ:
留学先で社会起業家に出会いました。
帰国してから社会起業家と検索すると山口恵理子とよく出ていたのでそれがきっかけでマザーハウスを知り、入社しました。

新井:
実際に入社してみてどうですか?

スタッフ:
こんなにズバズバ聞いてくる会社はないなと思いました。
ここをもっと良くできるね、自分らしくできるねと言われます。
自分を見つめる会社です。

新井:
山口さんと山崎さんは仲いいんですか?

スタッフ:
仲はいいと思ってます。
議論すると白熱しますが。
前職では上の人とこんなに近く話すことはなかったので山崎さんとはお会いした時に距離が近いと感じました。

新井:
スタッフが変わるとお店も変わりますか?

スタッフ:
マザーハウスは地域密着型でお店によって違います。
最初に赴任した横浜のお客様はクールだけれども話し込むと熱いです。
次に働いた二子玉川は若いお客様が多いです。
本店は格別ですね。私よりマザーハウス歴が長いお客様がよくお見えになります。

新井:
社員さんがちゃんとしゃべりますね。

山崎:
イベントも多いのでスタッフが話す機会が多くあります。
こうした事は主観なので働く意味を自分の人生から考えながら、言いたいことを言えばいいと思っています。

新井:
会議の日に来て見ましたがすごかったですね。
皆さんしゃべり始めると熱の入った議論になります。
個別の面談もさせていただきましたが、みんな想いが熱く、成長意欲が高いんです。

山崎:
新しい人が入ると、どんな業界だったかみんな聞きに来るんです。

新井:
想いが強いと「想い」に寄ってしまうことが普通ですが、マザーハウスは「想い」の反対側にある「利益」とうまくバランスが取れています。
経営のバランスがうまく取れてるケースですね。
しっかり権限委譲して地域毎にうまくやっています。
この体制は山口さんと山崎さんのどっちがいいだしっぺですか?

山崎:

最初は山口でした。
山口は聞きたがる人で、僕はファイナンスの人間です。
とにかく自分はコントロールしたがりました。
数字が大変だと気になっていて、5年目くらいまでみんなの事を信じ切れてなかったと思います。
それで現場のみんなと喧嘩もしました。
山口も僕もプレイヤーとして最初から参画していましたが、マネージメントにならないといけないと言われてありがたいと思いました。
みんなの方がよくわかっていたんです。

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