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"いい投資"探検日誌 from 新所沢

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2015受賞ファンドを解説 : 2位 三井住友・DC全海外株式インデックスファンド

1月15日(金)に発表された投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2015の受賞ファンド解説、今回は2位のファンドです。

f:id:m-at:20160115205934j:plain (写真:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year運営委員会提供)

第2位
三井住友・DC全海外株式インデックスファンド
(三井住友アセットマネジメント) 73ポイント/24名

2位は73ポイント(得票率9.2%)で三井住友・DC全海外株式インデックスファンドでした。元々は確定拠出年年金(DC)専用ファンドでしたが2015年9月に一般販売が解禁され、投信ブロガーFOYには初登場です。

2015年、インデックスファンド界隈にコスト革命を起こした風雲児

DC専用ファンドが一般販売されている公募投信と比較して信託報酬が低いことは投信ブロガーの間でよく知られていて、一般販売をして欲しいという声が挙がっていました。2007年に日興アセットマネジメントが年金積立シリーズの一般販売を開始、2009年にはニッセイアセットマネジメントがニッセイ日経225ファンドをDC専用から位一般販売解禁しています。

三井住友アセットマネジメントには外国株式指数ファンドという先進国株式指数に連動する低コストインデックスファンドがあったものの、販売チャネルが限られていることもあり、2009年に初登場7位に入った後は投信ブロガーからマークが外されていた運用会社でした。(2009年に外国株式指数ファンドの登場時も驚かれていましたが)

そんな中、9月に突然楽天証券でDC専用ファンドの一般販売解禁が発表されたのです。インデックスファンドの信託報酬水準を一段引き下げた<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドでしたが、その更に下を行く信託報酬は投信ブロガーに衝撃を与え、一躍祭りとなりました。

今年の主役と目されたものの投票開始直前、とんでもない事前リークが

投信ブロガーFOYは11月1日〜30日にかけて投票を受け付けるのですが、前評判ではこのファンドと1位になった<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの一騎打ちにVTがどう絡んでくるか?といったものでした。

でも、投票開始直前にとんでもない情報がリークされてきました。10月24日の日経の記事です。

ニッセイアセットマネジメントの公式発表前に信託報酬を引き下げるらしいという情報が投信ブロガーの間を駆け巡りました。いつもは投票開始と同時に投票に踏み切る投信ブロガーの多くが様子見を決め込んだのです。

最終的に信託報酬引き下げを行ったニッセイアセットの姿勢を高く評価した投信ブロガーの多くは<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドに投票、結果は圧倒的なものでした。

しかし、ニッセイアセットに信託報酬引き下げを決断させた発端となるこのファンドの意義を評価するブロガーコメントも多く寄せられました。

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 (写真:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year運営委員会提供)

ファンド概要

運用方針:
主として日本を除く先進国の株式、新興国の株式を対象としたMCSIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円ベース)に概ね連動する投資成果を目指して運用を行います。外貨建て資産について原則として対円での為替ヘッジを行いません。

純資産総額:92億円(2015年12月30日現在)

信託報酬:年0.27%(税抜き0.25%)

実質コスト:0.369%

売買回転率:0.31%

外国株式インデックス・マザーファンド概要(2015年11月30日現在)

純資産額:174億円

実質コスト:年0.067%

株式組入比率:93.7%(1,265銘柄)

株式先物組入比率:3.9%(4銘柄)

投資信託組入比率:2.3%(66銘柄)

エマージング株式インデックス・マザーファンド概要(2015年11月30日現在)

純資産額:9.9億円

実質コスト:年0.230%

株式先物組入比率(買建ー売建):102.4%(MSCIE)

債券組入比率:38.3%(米国国債)

運用報告書によると外国株式インデックス・マザーファンドは設定100億円、解約248億円、エマージング株式インデックス・マザーファンドは設定14億円、解約6.8億円でした。外国株式インデックス・マザーが流出傾向にあるのが気になります。

また、エマージング株式インデックス・マザーファンドは株式先物を使って運用を行っています。純資産額が小さいため先物を使って運用しているものと思われますが、ベンチマークとの差異は-0.2%程度でした。(2014/12/2-2015/11/30)

ただし、このファンドも一般販売が開始された後は楽天証券での積立ランキングで上位に名を連ねるなど、売れ行きも上々です。今後マザーファンドの資産を増加傾向に振り向けるほどの勢いを付けられるかに注目したいところです。

なにしろ一般販売前の2014/12/1時点の第四期運用報告書を見ると当時の純資産総額はわずか1.26億円です。一般販売された2015年12月末には92億円まで純資産が拡大しました。

1本で日本を除く先進国と新興国の株式にまとめて投資できるため、時価総額ベースで資産配分したいと考える投資家にとって使い勝手のよいファンドです。確定拠出年金専用ファンドという出自から低コストで運用されており、インデックス投資を行う投資家にとって待ち焦がれていたファンドと言えるでしょう。

ETFよりも低コストなインデックスファンドが一般販売されたことでインデックスファンド界隈にコスト革命が勃発し、新時代に入りました。

表彰式イベントより

表彰式イベントには営業企画部 執行役員の上山修さんに来ていただきました。

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上山さんからはコスト革命を起こすなど騒がれていたけれどもそういった事を意識したわけではなく、一般の方が買える投資信託を届けようとした時に、新しく作るのでは無く確定拠出年金用のファンドがあったので一般販売することにしただけだったとお話がありました。

そのため、表彰式イベントへの招待状が来たときは本当に驚いたそうです。DC向けのファンドを一般販売することで他社には恨まれるかな?という意識はあったそうですが、当初思っていた以上の反響があったのではないでしょうか。

三井住友アセットマネジメントでは直販も始めましたが、そちらでも新しくファンドを作るのではなく既存のDC用バランスファンドを販売しています。やたらと新しいファンドを作るのでは無く、今あるリソースを有効活用するという意味でも素晴らしい取り組みだと思います。

そして、DC用のファンドを一般販売しても買ってくれる人達がいるだろうと背中を押したのはインデックスファンドを使って長期国際分散投資を行っていたインデックス投資家の皆さんの力だと思います。

三井住友アセットマネジメントのホームページでも紹介いただきました

三井住友アセットマネジメントさんでも早速、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Yearの2位入賞をプレスリリースで発表して下さいました。ありがとうございます!

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2015」において、弊社投資信託 が 2 位を受賞いたしました。|プレスリリース

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フィデューシャリー・デューティー宣言

三井住友アセットマネジメント(SMAM)では昨年8月に顧客のために運用責任を全うするフィデューシャリー・デューティー宣言を行っています。また、宣言だけでなくいつ、何をするのかを定めたアクションプランも公開、適宜進捗を報告しています。

運用報酬に関する基本方針についても策定しており、報酬水準は環境の変化に応じて既存商品についても見直すものとしています。これがDC向けファンドの信託報酬見直しにつながったのだと思います。

運用報酬に関する基本方針
  • 運用報酬はお客さまに提供する運用サービスの対価であり、その 内容に応じ報酬水準を決定します
  • 販売会社の手数料を含め、お客さまにご負担いただくトータルの 手数料についても商品・サービス内容に見合ったものにします
  • 報酬水準は環境の変化に応じて見直し、既存商品についても 合理性を欠くものは改定します
  • 卓越したサービスの提供と一層のコスト管理に努め、お支払い いただく運用報酬に対する満足度の向上を図ります

また、横山社長自ら覚悟の一冊という資産形成層に向けた本を書いています。本当に真っ当な資産形成について書かれていて、大手運用会社の社長がこんな本を書くなんて!と失礼ながら読んでみて驚きました。

上山さんが受賞コメントの中で色々やってますと簡単に話されていましたが、横山社長になってからSMAMは色んなことにチャレンジしていて、本当に変わったなと思います。

今こそはじめる資産形成  ~人生を劇的に好転させる50のお金の知識~

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投信1というサイトで楽天証券の橘社長との対談記事があるのですが、SMAMを若い世代の資産運用に寄り添うイノベーターと位置づけており、今後も資産形成層にとって嬉しいファンドが登場してくるのを期待したいです。

また、ファンドマネージャーを積極的に表に出したいという言葉にも注目です。投信ブロガーFOYでは自らの言葉で運用を語るファンドマネージャーがいるアクティブファンドが人気を集めています。アクティブファンドは成績がどうなるか見通せない分、投資家が本当の意味で運用をお任せする商品。納得感を持って買った投資家はファンドをその信頼が続く限り長期保有してくれるものです。

三井住友アセットマネジメントには三井住友・中小型株式ファンドというファンドがあり、成績だけでなく月次レポートに書いてあるファンドマネージャーコメントがとても味があります。今月のレポートでは四季報を読むのが大好きというのをイキイキとした言葉で書いています。

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覚えているでしょうか?このファンドはrennyさんのブログで開催していた第2回k2k2ダービーで優勝したプラチナプランで採用していたファンドです。信託報酬は高くても成績が優秀なファンド4本で構成したプラチナプランでもよい走りを見せてくれたファンドです。

モーニングスターで対談イベントもあったようで対談記事を読むとKANさんに似た木村さんというファンドマネージャーの(KANさんもそういえば本名は木村和です)目指す運用がわかります。

待たれる三井住友・DC外国株式インデックスファンドの一般販売解禁

三井住友・DC全海外株式インデックスファンドも低コストで扱いやすいいいファンドなのですが、今、投信ブロガーが待ち焦がれているのは先進国株式指数(MSCIコクサイ・インデックス)に連動を目指す三井住友・DC外国株式株式インデックスSでしょう。

2015年10月1日から信託報酬率が年0.1836%(税抜き0.17%)から年0.1728%(税抜き0.16%)に引き下げを行っています。これは受託銀行の報酬率を0.01%引き下げたものによるものです。ほとんどの人が注目していない確定拠出年金専用ファンドで0.01%刻みで投資家にコスト軽減を行うなど、投資家のために頑張ってくれています。

先進国株式に投資するインデックスファンドは投信ブロガーFOYの大本命とも言える資産クラスで、仮に一般販売された場合は2016年の台風の目になるでしょう。そうした場合ニッセイアセットマネジメントやDIAMアセットマネジメントはどうでるのか?注目です。

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