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IKEUCHI ORGANIC TOKYO STOREトークイベント「池内が語るタオルの個性」(後半)

9月11日(金)にIKEUCHI ORGANIC TOKYO STOREで開催されたトークイベントのレポート(後編)です。IKEUCHI ORGANICのこだわりポイントや池内社長が好きなタオル、気になっている会社など普段聞けないお話が聞けました。

(前半はこちら

トークイベント「池内が語るタオルの個性」

 日時:2015年9月11日(金) 19:00-20:30
 場所:IKEUCHI ORGANIC TOKYO STORE

Q.生産性より風合いといったが風合いは数値ではなく官能によるところがあるのでは。池内さんが最終的に判断するんですか?

池内:

皆さんは生産性でなく、風合いで買ってくれていると思っています。

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Q.耐久性も短いのでしょうか?

池内:

そんなことはありません。ただ、エアーは糸が通常の1/3の細さなのでヘビーデューティの732とは耐久性が異なります。

Q.長く使えるコツはなんでしょうか?

池内:

洗濯機はたっぷりの水を使い、乾燥機は少しで乾燥させる事です。エコ洗濯機は相当風合いを悪くします。水を倹約している一方で衣類やタオルを短くしか使えなかったらどっちがエコなのか?水は必要以上に倹約しない方がいいのではないかと思います。

Q.ホテルはタオルの洗い方が悪いと聞きました

池内:

効率優先なのかなと思いますね。ホテルの人からも使いたいとオファーはあるのですが基本的にホテルではタオルは買いません。リネンサプライヤーから借りているんです。部屋代の10%くらいはアメニティに出して欲しいと思います。

ホテルのタオル良いと言われますが、僕に言わせると都市伝説というくらい景気が悪い間にタオルにかけるコストは減ったのでは無いかと思います。使っているタオルが悪いわけでは無く、使いすぎなのです。あるホテルでは150回くらい使っているのではというのも見ました。それなりの値段のホテルであれば50回くらいで変えて欲しいと思います。

Q.縫製にこだわりはあるのでしょうか?

池内:

IKEUCHI ORGANICになって全製品オーガニックと言っていますが、実はミシン糸はオーガニックではありませんでした。比率にすると99.8%。これをなんとか100%オーガニックにしたいと考えています。

今年から徐々に変えていますが全部のタオルを100%オーガニックにするには10年くらいかかります。

ミシン糸にするほど細い糸はオーガニックにはないのでオーガニックの中では一番細い60番手糸を順番に染めて使っています。今日現在で生産しているのだとコットンヌーボー2015は完全オーガニックですが、店頭にある分は自然変更中です。(現在の在庫が無くなり次第100%オーガニックバージョンになります)来年出る2016は100%オーガニックにします。

いまはミシン糸、刺繍糸(レーヨン)の2つがオーガニックではありませんが、安全性に関して言えばどちらも同じくエコテックスクラス1を通しています。コットンヌーボーで糸はどのくらい必要だと思います?

糸を1巻2kg染めると1年で使い切らないくらいです。なのでいろいろなカラーリングがありますが絶対に変わらない色の糸から順番に作っています。

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Q.オーガニックコットンのミシン糸は何が違うのでしょうか?

國行:

工場にお願いして今日限定で特別に用意しました。アメリカで1人使っている人がいますが、日本ではまだ100%オーガニックバージョンのコットンヌーボーを使っている人はいません。

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池内:

たったミシン糸にそこまでしたいのと思われるかもしれませんが社長がやりたいんです。皆さんが待っていると思ってやっています。

Q.10年前に今治に行ったときに工場を見ましたが、当時は中国の安いタオルに対抗するのにどうするかみなさん考えていたように見えました。他のメーカーはどうなりましたか?

池内:

今治全体では他の生産地と比較して相対的にエコになるとは思いますがエコな取り組みはほとんどありません。ピークの時は500社あったタオル会社が今は100社まで1/5に減っています。

ここ4〜5年今治タオルの流行で下げ止まりましたが、増えているというほど力強いものではありません。日本から中国に工場を移転していた会社はほぼ日本に帰ってきて、1社だけ中国から更にベトナムに移転しました。

今治で収益をあげているところはアーティストものを作っている会社です。EXILEが日本製じゃなきゃ嫌と言ったのでビッグアーティストのタオルが今治に帰ってきた事もあり、一時の悲壮感は無くなりました。個性を出せばそこそこやっていけるという雰囲気があります。

Q.ニットの商品もありますがどうしてニットを始めたのでしょうか?また、魅力を教えてください。

池内:
アメリカと日本で売っていますがアメリカではイケウチにはなんでシーツが無いんだと言われます。世界的にはシーツメーカーがタオルを作っているからです。

日本はベビー絡みで安全性という特徴を知って買う人が中心です。そういう人たちからタオルは安全でも赤ちゃんが着ている服は口にいれたらいけないと事への対応としてベビー用品を求められていたのです。

縫い目がないものを作ろうとしていて、このベビー用品も縫っているのは嫌らしくつけたIマークだけです。

赤ちゃんは話しませんが縫い目にストレスに感じているはずです。
という事でニットもやるので機械を買うから機械買うから勉強してこいと川本を送り出しました。

 

Q.ニットならではの苦労話などありますか?

川本:

これがスタートだったので社内で誰に聞く事もできず、メーカーとの話も自分が担当しました。データが駄目なのか糸が駄目なのか全て手探りだったのでなかなか前に進みませんでした。

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池内:
オーガニックウールでは同じ形にあがらないということがあります。
織りは設計書通り比較的いきますが編みは設計通りにいかないという悩みがあります。
一方で編み機は織機ではできない離れ技が出来ますね。

川本:

この巾着は袋と紐を別々に編んでいるんです。かなり複雑なことをしていますが、それをどうデータに落とし込むかが難しかったです。

池内:

こういうの作れと言ってるんでなく、早く産着を作れと言っているんですけどね(笑)。
でも、昨日見たのはなかなか良かったので11月のコットンヌーボーの発表会までに出来そうだったとプレッシャーをかけて東京に出てきました。

Q.コットンとウールの違いはどういったものがあるのでしょうか?

川本:

ウールの方が弱いので糸一本に対するテンションが違います。テンションが1g変っただけで編めなくなることもあります。

Q.オーガニックウールはなにがオーガニックなのですか?

池内:
羊に抗生物質は打たず、食べる草は100%オーガニックなものです。羊は短い草しか食べられないので放牧地にまずは牛を放牧して牛が草を食べます。そうして短くなった草を羊に食べさせています。

Q.なぜマフラーを作ったのですか?

池内:

元々作りたい産着が出来ないのに高い機械を寝かせてはおけないのでマフラーを作りました(笑)。産着を編むような編み機で編んでるマフラーは他に無いのではないでしょうか?もともとマフラーを編むような編み機ではないので少ししか生産できないので予約生産になっています。

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Q.作る上での苦労話はありますか?

川本:

加工ロッドが違うだけで仕上がりが10cmくらい違ったのですが、糸の違いによるものの方が大きいと言われてどう仕上げていくのか調整が難しいです。

Q.オーガニックリネンはないのでしょうか?

池内:

ショッピングバックを作ろうとしていて今年の夏には間に合わなかったけれども社内的には完成しています。シルクの場合は野生のシルクと呼んでいます。栽培の場合、育て方がオーガニックですが、シルクの場合は栽培ではなく野生のシルクです。

Q.シートタオルはどうなんでしょう?

池内:

オージョは王子製紙が作っている紙で作っている繊維です。性格的にはリネンとほとんど一緒で安定したリネンと言えます。さらっとして吸水性も良く強いいい糸なのですが、ムラ感が無いんです。皆さんリネンにはムラ感を求めるでしょう?

素材としてシーツなどには向いていると思います。以前オージョを使わせてもらった時はまだタオルしか作っていませんでした。

Q.社長が気に入っていっているタオルはなんでしょうか?

池内:

家にはほぼ全シリーズあります。一日2回洗濯しないといけないと奥さんには怒られてますがこれでご飯を食べているんだと言っています。来年再来年出さないといけないものも使いこなさないとわからない事もあるので家で使ってテストしています。

120系のきっちり織ったものや140が好みです。

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國行:

カワモトさんが普段使っているタオルはなんですか?

川本:

120や316が多いですね。

國行:

お気に入りポイントは?

川本:

自分にあってるから。洗濯して乾きやすいんです。

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池内:

天候のこともあると思います。愛媛と東京は違うのでそれもあるかもしれません。

Q.メイドインジャパンで気になっている会社はどこかありますか?

池内:

Technicsがうまくいくかは気になってます。他には千代の亀は気になっていますが、ここは獺祭に作り方を教えた酒蔵です。

この間見に行った飯尾醸造さんのお酢も気に入ってます。鎌倉投信の新井さんから京都にあるから一緒に行かないかと言われ、その日は京都にいたのでいいよと気軽に言ったら京都とはいえ舞鶴で結局前泊することになりました。

お酢は日本酒から作っていて、オーガニックな純米酒を1年かけて作ったら今度は酢を1年かけて作って更に1年寝かすんです。お酢になる前の日本酒が飲みたいと言ったんですが社員にならないと無理といわれて社員になろうと思ったくらいです。

大手メーカーのお酢と比べてお米の量が1:8、作るのにかかる時間は2週間:3年です。大手メーカーは丸一日で日本酒、そして酢にできる技術を持っていて、そのままだととげとげしいので10日寝かしてから出荷しているそうです。

この作り方を見たらお酢は日本酒より高くないといけないと思いました。もし日本酒より安かったら醸造用アルコールで薄めているんです。日本中どこにいってもめちゃめちゃ凄い会社があると思います。ただ、商売っ気がなかったりします。

富士酢 富士酢プレミアム 500ml

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飯尾醸造の4代目に最高の牛乳屋だからぜひここを応援してと言われたのが想いやりファームです。大腸菌がいないので加熱しないでそのまま飲める日本唯一の牛乳です。

720ccで1500円ですが、まったく牛乳くささがありません。あの独特のにおいは加熱によるものだったんだと思いました。

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