いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

震災から4年 東北の食を楽しむランチ&トークセッションに行ってきました(1) 歌津小太郎、矢部園、喜久盛酒造

3月21日(土)、GOBLIN千駄ヶ谷で開催された「震災から4年 東北の食を楽しむランチ&トークセッション」に行ってきました。このイベントは東日本大震災で被災された事業者さんの復興を応援するセキュリテ被災地応援ファンドを利用された事業者さんの作る美味しい食事を楽しみながら事業者さんのお話を聞いたりするものです。

美味しい料理だけでなく事業者さんのお話もたっぷり聞いてきましたのでレポートします。

歌津小太郎 (宮城県・南三陸町)

南三陸町の歌津小太郎(橋本水産食品)さんでは主力商品のさんまのこぶ巻や海藻を使った加工品の製造・販売をしています。震災後、新工場を建設し現在では従業員さんも13名まで増えましたが、悩みの種は歌津地区の漁港の復旧が遅れて一次加工施設がないという点でした。現在は新工場の中で洗浄や選別といった一次加工も行いつつ、調理・包装の二次加工も行っていますが、震災前に歌津小太郎が行っていた二次加工に全力投球が出来ていません。

そこで第二工場を第一工場に隣接する土地に建設することにしました。第二工場では一次加工をメインに行いますが、現在の主力商品になったさんまこぶ巻の専用ラインも作ります。これによりさんまのこぶ巻を常に生産できるようになり、生産能力もアップします。

ファンドは歌津小太郎こぶ巻ファンドという名前の通り、主にさんまこぶ巻を作る新工場の建設費用の資金を集めるものです。もちろん工場建設にあたっては補助金や融資も受けるのですが、ファンドの資金を使うことも計画に入っています。建設費用は既に融資を使って発注済ではありますが、できるだけ早くファンドの資金に切り替えたいと思っています。(ファンドは売上に応じた分配という事、毎月返済の必要がないこと、ファンド資金は自己資本として勘定されることで更なる融資を受けやすくなるなど事業者さんにメリットが多くあります)

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ファンドを通じて多くの出資者の皆様に気にかけていただき、情報発信なども行ってきましたが、ついに従業員が頑張ってホームページをリニューアルしました。これまではなかなか情報も更新されないホームページでしたが、これからは歌津小太郎の今が伝わるようなホームページにしていきます。

今日、こちらに来ることになり皆さんに知らせて欲しいとリーフレットも作ってくれました。是非皆さんにも見ていただきたいと思います。

 震災から4年。現在の課題と求められるもの 歌津小太郎

ファンドで集めた資金は新工場の建設費用や原材料の購入資金などに使われます。

出資者特典としては口数に応じてさんまこぶ巻やさんまこぶ巻を含む詰め合わせが送られます。うちにも一昨年、昨年と届いていますが本当にここのこぶ巻はびっくりするくらい美味しいんです。お正月に食べるくらいで特に美味しいとも思ったことのないこぶ巻でしたが、こぶ巻に対する見方がガラっと変わるくらい衝撃的な味でした。

そして特典で送られてくるのは通年商品として冷凍したさんまで作られるものではなく、秋口に獲れたばかりの新物さんまを使ったまさに旬の時期ならではのスペシャルな一品です。なので、今出資をしても特典が届くのは秋になりますが楽しみに待つだけの価値はあります!

歌津小太郎こぶ巻ファンド

募集金額:4,240万円 (3月22日現在 84.2%の申込です)
投資金額:一口1万500円〜(内訳:出資金5000円+手数料500円+応援金5000円)

イベントではさんまのこぶ巻と今が旬のめかぶ漬けをいただきました。きれいな緑色でご飯と一緒に食べると本当に美味しいです。

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出資はちょっと・・・でも商品は気になる!という人はセキュリテセットとしてめかぶ漬とさんまのこぶ巻セットも販売されています。

矢部園(宮城県・塩竃市)

宮城県塩竃市にある矢部園さんは伊達政宗公の産業振興で始まった北限の茶葉生産地ある桃生茶の販売などをしています。

桃生茶を作っている生産者さんは一人しかいません。そのお子さんがお茶づくりを継いでくれるよう、多くの人に飲んでもらえるようにペットボトルでお茶を売ることにしました。ただ、桃生茶というと桃のお茶と誤解されてしまうので伊達茶という名前にしました。このペットボトル茶は日本で唯一生産者表示がされています。一人しか生産していないからです。

また、一芯三葉の限定新茶は能登・和島温泉「加賀屋」浜離宮の客室用のお茶としても採用されています。

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震災では天井まで津波が来たため、商品や備品などが全てダメになりましたが7月にはいち早く店舗をオープンしました。その店舗も将来の塩竃の商店街の姿を考えて、一度取り壊して再開発をすることになりました。被災地ではまだ権利者主導で復興に向けて動き出した商店街はありません。塩竃でもようやく準組合から組合になって再開発が動き出すことになりました。

店舗を取り壊して新しい店舗が出来上がるまで売上は厳しいものになると思いますが、震災を契機に全国にお客様が出来た事もあり、ウェブサイトを通じてお茶を買いやすくしたいと考えています。

 震災から4年。現在の課題と求められるもの 矢部園の場合

ファンドで集めたお金はペットボトル伊達茶や一芯三葉新茶の仕入れ・製造費やホームページのリニューアル用に使われます。

出資者特典としては出資口数に応じて煎茶パックやペットボトル茶、お茶のセットなどが送られます。

矢部園伊達茶ファンド

 募集金額:2,050万円 (3月22日現在97.6%の申込です。あと少し!)
 投資金額:一口10,500円〜 (内訳:出資金5000円+手数料500円+応援金5000円)

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イベントでは冷たい煎茶とほうじ茶が振る舞われました。香り高く美味しいお茶でした。

喜久盛酒造(岩手県・北上市)

喜久盛酒造さんはイベントには参加されていませんでしたが、日本酒の試飲を行っていました。話題の純米酒「タクシードライバー」やにごり酒「鬼剣舞」が試飲できました。

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タクシードライバーと鬼剣舞を試飲させていただきましたが、どちらもしっかりと力強い味わいのお酒でした。タクシードライバーは食中酒によいのではないかと思います。

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喜久盛酒造では震災で一部の蔵が全壊、残った設備でお酒づくりをしていましたが隣の花巻市にある白雲酒造が廃業することになりました。戦時中は同じ酒蔵としてもやっていた白雲酒造に設備を使わせてもらえないか相談すると、ふたつ返事で了解してもらえたそうです。

今年からは蔵を移転して酒造りに取り組んでいますが、想定外の設備の故障などで酒づくりに遅れが出ている状況です。(→今日の搾りの様子です[喜久盛酒造])また、今年から新しい杜氏さんも迎え、新しい蔵で新しい杜氏の下、さらには全量純米蔵にもなります。

ファンドで集めた資金で移転に使う費用や酒米の購入費、人件費などをまかないます。出資者特典として出資口数に応じて人気のタクシードライバーや焼酎古酒(既に焼酎の酒造免許は返上しているため、在庫分で終わりの貴重な焼酎です)が送られます。

喜久盛酒造仕込み蔵移転ファンド

 募集金額:1,300万円 (3月22日現在97.0%の申込です。あと少し!)
 投資金額:一口10,500円〜 (内訳:出資金5000円+手数料500円+応援金5000円)

 

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