11月4日に直販バトル IN 東京が開催されました。R&Iファンド大賞受賞を記念して京都で開催され、東京でも開催されました。その時のアンケートに鎌倉投信も受賞したではないか!との声があったらしく(笑)、鎌倉投信を含めた3社での直販バトルで再構成されました。
前回、ブログは書いていないのですが2社で結構ギリギリまで話していたのにもう1社増えて大丈夫なんだろうか?そもそも鎌田さんはあの二人に混じって話させてもらえるのか?と思いながら今回も参加してきました。
R&Iファンド大賞2014受賞記念セミナー
「チョクハンバトル 鎌倉vsセゾンvsひふみ」
日時:2014年11月4日(火) 19時〜20時45分
場所:レオス・キャピタルワークス会議室
講師:藤野英人(レオス・キャピタルワークス)
中野晴啓(セゾン投信株式会社)
鎌田恭幸(鎌倉投信株式会社)
まず最初はレオス・キャピタルワークスの藤野さんからひふみ投信について簡単にお話がありました。
- ひふみ投信は海外にも投資できる設計。ただ3000億円くらいまでは日本株でやっていける。
- なぜひふみ?1,2,3、初心者からベテラン、日を踏む、火風水土信
- ココロとフトコロに効く投資信託。理念だけでなく結果も出していく。
- 貯めながら増やす ためふや
- ためて、ふやして、進化するに出てくるサルのモデルはアナリストの栗岡。お客様をサル扱いするのか!と怒られたが・・・
- 最後に飛んでるサラリーマンが背負っているひふみロケット(ひふみろ)は10年後を見ていて欲しい。ふなっしーを超えるキャラクターに育てようとしている。
- ひふみろのLINEスタンプも申請している。7ヶ月申請中のまま進展がないが・・・
藤野さんが10分で話を終えてセゾン投信の中野さんへバトンタッチ。
- 本日付けでセゾン投信の純資産総額が1000億円を突破した。(会場から拍手)
- 直近では2σを超える値動きで異常値。でも翻弄されないで。
藤野さんから補足「解約しないでって事です(笑)」 - 想定していない状況になるとコンピュータでリスク管理する運用手法はおかしくなる
- セゾン投信は2本のファンド。セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは変わった名前は許さないというバンガードの信条が出たそのままのネーミング。設計図通りに日々無駄なく運用しています。
- セゾン資産形成の達人ファンドも国際分散投資ですがグローバルに長く育てるアクティブ運用。アメリカには多くある長期投資ファンドをお手本にマルチマネージャースタイルのようにファンドを選んでいる。
- 「いそがないで歩こう。」はセゾングループのコピーをたくさん作って下さった方の遺作。創業当時にコピーを作らせて欲しいと言われてあまりお金が無いのに作って下さった大切な作品。
時間を守った藤野さんに対してあっさりと時間をオーバーする中野さん。続いて鎌倉投信の鎌田さんが登場です。
- 結い2101は名前の通り22世紀につながる会社に投資
- 「いい会社をふやしましょう」は本業を通じて社会問題を解決する会社に投資するという事
- さや取りではなく、共に育つファンド
- 前職はクオンツを生かした会社だったが前提が狂うとそれまでのリターンをあっさりと失ってしまう
- そういう意味では4年ではパフォーマンスは語れないが一部見極めることができるかもしれない。パフォーマンスを見るときに大事なのはパフォーマンスの源泉。なぜこのリターンが出たのか?
- 結い2101は10%のリスクで年率4〜5%のリターンが目標。リターンの源泉は業績、小型株効果、ウェイト調整の3要素。
- 皆さんマークについて話しているので鎌倉投信も(笑)小鳥と3つの輪から出来ている。緑は自然、黄色は人の温かさ、青は誠実さを表している。
ボラティリティについて
白水:結い2101はリスクを抑えた運用をしてますね?
鎌田:投資家も平常心でいられるよう、10%くらいのリスクになるように現金を多めに持つようにしています。様々な分散をしてクオンツで下げない運用をしています。
白水:通常は株をフルに持つファンドが多いと思いますが。
中野:うちのファンドは現金比率を変えられますが、フルインベストメントに近いやり方をしています。
白水:ひふみ投信は現金を持っておく日本でも珍しいファンドだと思いますが
藤野:現金を最大50%まで持てるように設計してます。リスク10%というのはかなり小さくて自分達は相場が過熱しすぎて買いたいものが無い状態に最大の比率にします。
為替リスク
白水:3年前は円が76円ほどでしたのでだいぶ円安になりました
中野:利益の源泉はいくつかありますが、達人にとっての利益の源泉の一つが為替。ほぼ毎月入ってくるお金を円高の最中にじっくり仕込んでいた結果が出ました。
白水:鎌田さんのところは為替の感応度はいかがですか?
鎌田:できるだけ為替の影響は中和できるように努力をしています。
藤野:ひふみも円安に強い輸出ハイテク企業と円高に強い内需関連企業を組み合わせてなるべくニュートラルにしています。強弱は付けていますが、利益の源泉とまでは考えていないので少しだけどちらかに寄せています。
中野:補足するとグローバル運用において為替リスクをコントロールするかしないかという議論があります。達人はヘッジしていませんが、それは長期的に見ると中立だからです。極端に言うと無視しています。
東日本大震災
白水:東日本大震災の時はどうでしたか?
中野:資産形成の達人はあまり下がらず、分散効果がしっかり出ました。
鎌田:リスクを10%と約束していたのでその範囲での下落に留まり、リスク管理は適切でした。この時に入金して下さったお客様が多かったので、安くなったところでいい株を買うことができ、結果的にポートフォリオがきれいになりました。早いうちに反発した一つの要因はそこにあります。あとは社会の認識が変わり、共生をテーマにした会社の株価が上がりました。
白水:どんな会社の株価が下がりましたか?
鎌田:東北に工場のある技術系の会社がよく下がりました。
藤野:それまで上昇していた成長株が真っ先に売られました。成長株は下げの初期に弱さが出ますが、成長性があるので回復局面は早くやってきます。ひふみでは3.11の時が入金件数で一番でした。4号機が爆発してこの先どうなるんだろう?という時にたくさんの入金があり、結果的に皆さんの判断は当たるんだなと思いました。こういう時にフレッシュなお金で投資できるのが直販の強みだと思います。
中野:典型的なケースですね。
藤野:この10月半ばの下げもそうでしたね。
鎌田:10月は過去最大の入金件数でした。皆さんよく見てますね。素晴らしいと思います。
中野:銘柄選択の力が発揮されますね。資産配分が80%を決めるなどと言われていますが、銘柄選択も重要です。
白水:下がると解約が多くの投信で起こりますが
鎌田:大きく下げる局面で現金比率を上げました。その後売られすぎた割安な会社を丁寧に拾っていくことができましたので半分はお客様の力です。
藤野:ひふみはたまたま現金を高めに持っていました。3.11直後の火曜から水曜に昼にかけて一旦売りを入れて、その後ポートフォリオを変えるように買いを入れました。所有から使用へと世の中が変わったと考えました。
アベノミクス相場
藤野:2012年11月に野田総理が解散した時、ヤバイと慌てふためきました。トランプの大富豪のルールに革命というのがありますが、最強が一瞬にして最弱になるまさにそのような状況に思えたのです。官製相場は大きな会社からまずは買われます。そこでTOPIXに勝つことをまずあきらめました。当時、クリンチと言っていましたが相場についていくことに専念しました。
中野:世界全体が良かった時期なんです。しばらくは何を持っていても値上がりしました。こうなると特徴が出せなくなるのでローベータのついて行ければ御の字という運用をしました。こういう時はポンコツセクターの銀行株を持っていても成果が出るんです。
白水:ランチの時にひふみは銀行を入れていない。ソフトバンクだけだよと笑い話をしていました。
鎌田:結い2101はついていけない事を決めました。歴史的大転換で大相場になると思い、海外の投資家もアベノミクスは評価していて大型株や日経平均がよく上がる中、トータルリターンが4〜5%でリスクが10%というリスクコントロールを続けました。一部業績以上に株価が上がったものについては売却しています。うちの新井は頑固なので方針は変えませんでした。
5.23ショック
白水:昨年の5.23ショックの時はどうでしたか?
中野:グローバルには5.23ショックというものはありませんでした。
藤野:銘柄を入れ替えました。アベノミクスが一旦終わったと判断して大型株から小型株へ。
鎌田:上昇時に現金を高めていましたので比較的下落を抑えることができました。