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「生き残る地域と消えゆく地域」藻谷浩介氏(2) 世界で見るとこんないい土地で人が減ることが不自然【西粟倉ホタルの森フェスレポート】

西粟倉ホタルの森フェス リレートーク藻谷浩介さんを迎えて「生き残る地域と消えゆく地域」という鼎談レポートの続きです。( 前回の記事 ) 

いよいよ話題は西粟倉の話に入っていき、歴史的な人口の推移へ。歴史的な視点で人口の推移を見てみるとこれまでと違った世界が見えてきました。

リレートーク 生き残る地域と消えゆく地域

日時:2014年7月20日(日)13:00〜15:00
 場所:大茅スキー場(岡山県西粟倉村)
 出演:藻谷 浩介氏
    竹本 吉輝氏
    牧 大介氏

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都会に近い、大阪まで特急ですぐ行ける、途中に神戸も姫路もある。そういう状況ではもっと安くしないと買ってやらないぞとどんどん安くなっていくのでは

藻谷:今の話は2000人しかいない島の話でわざわざくる人もいないような所での話でしたが、西粟倉だと環境は違うものの置かれた状況は似ています。なんでここで人口が増えないのか?それは産業がない仕事がないとおっしゃるが、本当に仕事がないんだろうか?それはここで採れたものが二束三文で買い叩かれてなかなか食える人がいない、そういうことではないでしょうか?

むしろ都会に近い、大阪まで特急ですぐ行ける、途中に神戸も姫路もある。そういう状況ではもっと安くしないと買ってやらないぞとどんどん安くなっていくのでは。それで実はやってられないという雰囲気のように見えますが。

それを変えようとしている人が昔からいて、今になってようやく変化が見え始めたところでしょうか。この人達(西粟倉・森の学校)はいつからですか?壇上にいる人間は西粟倉村民ではないわけですから。

牧:私もずっとお世話になっていますがいまだに住民票はおいてません。

藻谷:なんと!どちら出身でしたっけ?

牧:京都の宇治です。

藻谷:京都の人だと岡山に来てもあまり驚かないと思うんですよ。

牧:いろいろな地域で仕事してきましたけど、京都、岡山は駆け引きが複雑になりますね。

藻谷:もう一つあげるなら北海道でしょうか。

牧:ここに関わらせていただいていますが、中では合併しないということが決まって、林業をテーマにという分野でやっていますが、合併をしないというのを村民の皆さんが選ばれた。この村をなんとか残し続ける、あきらめない人のお手伝いをさせていただいて、たまたま前に座らせていただいているわけです。

藻谷:市町村オタクで全国の市町村に行ったり、ちなみに電車も全路線乗っているんです。鉄道ファンなんですけれども電車が通っていないところも興味がありまして、下らない自慢ですけど、若杉原生林の散策路を昭和40年代に山口県のませた小学生だったんですけれども、なぜか知っていたんです。

最初ひらがなでにしあわくらって書いてあったので、にしあ・わくらか、にしあわ・くらかよくわからなかったんです。それはともかく、自分にとっても西粟倉というのは国民宿舎や民宿がブームの時に粟倉の町づくりはむちゃませたガキであった山口県にいた自分が気づくくらい割と有名でした。

その頃から始まって智頭急が通るときにあわくら温泉と言ってやって、その後は皆さん高速道路が通ると革命的に良くなるだろうと期待されたと思いますが、一通りできてみて便利になったけど、あまり変わらんねと気づいたと思います。

その頃に合併話があって、正直言って東粟倉と西粟倉と大原は一緒になっても良かったと思うんですが、美作市に入るのはやめておいた方がいいと思うんです。やったことを後からいうのもどうかと思いますけど。でも皆さんは自立するとおっしゃった。でもその後、思ったほど人口減少が止まらない。

引っ越して入る人が増えるかと思いきやそんなに増えていない。胸を張って自立を選んだわりにはなかなか実らないなと。名前は有名だけど、うまくいっているから講演に呼ばれないんだろうけど、うまくいかなくなると呼ばれるんです。僕を呼び出す時は行き詰まっているんです。最近高橋に呼ばれましたが、行き詰まりつくしたので少しどうにかしようと呼ばれました。

数字を見ていると粟倉や新庄は頑張って欲しいんだけどもあまり良くない。はっきりと人が流れ込んでいるわけではないんです。今回来てみてわかったんですが、おそらく来年10月の国勢調査の結果が出るとちょっと成果が目に見えてくると思います。

その日だけ人を呼んできてもだめですよ。震災以降種まきした話がだんだん芽吹いてきた。昔、鈴木大地のバサロスタートといってずーっと浮かんでこないのがありましたが、ようやく上がってきたと思いますがどうですか?

牧:前の前の国勢調査の時に工事関係者が大量に入ったという話が。一つ前の国勢調査もそれなりに移住者がはいっていて受け入れていたんだけれども工事関係者のいなくなった部分を埋めるほどではなかった。

藻谷:それはいいことですね。飯場の人達が移住者に入れ替わったわけですね。

牧:そういう意味ではここで頑張るぞという人に入れ替わってきた

藻谷:全国である一年だけでも入ってくる方が多い町が出だした。それが少しずつ続くようになると。不便だ面倒だからと住民票を移すんだけれど、西粟倉は便利なところなので住民票までは移さなくてもいいかとなるのがちょっと弱点かな。

一昨日島根県邑南町にいたんです。里山資本主義のテレビで紹介されたところです。テレビだと私が中国地方三大地域おこし案件だと思っている海士町、智頭町、西粟倉が紹介されなかったんです。他の番組で何回も紹介されているからと。あげくのはてに昨日の夜やっていたNスペでは智頭町の元祖ではなく津和野にできたブランチの森の幼稚園が紹介されていました。

邑南町は2013年に入ってくる住民票が出ていく住民票より多くなりました。30人くらい入ってくる方が多かったんです。水尾ハイランドスキー場というのがあるところでどか雪が降るんです。つまり、くそさむいんです。そういう不便なところに入ってくる人の方が多くなったというのは高度成長期以降50年ではじめてです。

そういうとんでもないことを起こす所が条件不利地域に出てきました。西粟倉も早晩そういうことになるかもしれない。住民票を移さない人が増えてるだけかもしれないけど。邑南町は採れるものも美味しいんだけれども少量しかとれません。そういうところでなんで変化がおきたのか。中でやっていることは西粟倉とおんなじ。ちょっと違うとすると邑南は町役場がそれをやらないとうちの町がなくなるとかなり真面目にやっているところです。

町長、副町長、課長クラスは全員そのことを理解していますね。農業担当だから他は知らんよというような人が課長とかをしていたんですが、5年10年やって町を残すために全部大変だとだいぶ意識が変わってきました。

 

世界で見るとあんな良い所で木も生える、作物も採れる、交通も普通の国にはないような高速道路も通っている、特急電車も通っているような所で人がいなくなるというのは、どこをどう間違ってそんなことになってしまっているのか?という話になるわけです

牧:人口をどう維持するかという話をされていますが、そもそもの疑問としてなんで大事なんでしょうか?

藻谷:今は1500人くらいですが、明治時代に西粟倉は何人くらい住んでいたでしょう?。

牧:だいたい3000人くらいではないでしょうか?

藻谷:昭和25年くらいは何人くらいでしょう?

牧:3000人くらい。

藻谷:つまり半分に減っていますね。半分で済んでいるのはかなり優秀な方なんです。他の所では3割くらいに減っているところも多いんです。その頃は日本の山村が一番人口が多かった頃です。

明治時代はどれくらいだったか?最初の国勢調査は明治19年なんですけど、正確な数字はパソコンの中なのでざっくりいうと、今と同じくらいしかいなかったと思います。
なぜ断言できるか?そもそも明治時代は日本人の人口は現在の四分の一です。全国で4000万人弱しかいなかったんです。

明治以降人口が4倍に増えていく中で田舎も人口が増えていったんです。もともとそんなに人がいたわけでないんです。江戸時代には500人くらい。だいたい1万石で1万人くらいと言われています。加賀百万石で100万人いたかというと違うのですが、非常に広い高橋藩5万石でも5万人くらいです。山口県が35万石で今は150万人です。ものすごく人が増えたんです。

どうしてふえたか?生産力が増えたからです。みなさんも先祖がいつから住んでいるか調べてみて下さい。江戸時代からいたっていう人は村民の半分くらいだと思います。あとの人は明治時代や大正時代に何処かから来た人のはずです。

本来この谷に暮らせるのは500人くらいなんです。人が減ってもいいという話ではなく、明治時代でも1500人くらいでした。機械もなくて牛が働いていて途中で寝っ転がっていうことを聞かないという時代です。牛も江戸時代の途中からなのでそれ以前は牛もいませんでした。

そういう状態でも500人、1000人しか住まなかった。そういう所にこれから200人くらいしか住まないということはすごく不自然だぜとそういうことです。3000人住まないといけないとは僕は思いません。

でも、こういうところで1000人を切るというのは世界で見るとあんな良い所で木も生える、作物も採れる、交通も普通の国にはないような高速道路も通っている、特急電車も通っているような所で人がいなくなるというのは、どこをどう間違ってそんなことになってしまっているのか?という話になるわけです。

 


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