"いい投資"探検日誌 from 新所沢

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています

ビジョンハウス倶楽部『良い社会を創るための"意味ある投資"への行動を広げよう』に参加しました

6月21日(土)にビジョンハウス倶楽部という勉強会に参加させていただきました。人材育成などを手がけているHRインスティテュートさんがシェアリングというコンセプトで顧客の方々と一緒になって社会のために何ができるのかを意見交換する場として開催している勉強会です。

お題が『良い社会を創るための"意味ある投資"への行動を広げよう』という事で社会的責任投資フォーラム会長の荒井勝さんが講演され、その後に事務局長のまろさんがお話されるという事で招待を受けたのがきっかけです。

■ 良い社会を創るための"意味ある投資"への行動を広げよう
 〜経営戦略とCSR活動の融合はもはや基本の基〜

荒井さんの講演の中で印象に残ったのは『日本の年金とESG投資 2013年版』で紹介されている年金基金へESG投資についての考えを聞いたアンケート結果です。

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環境(E)や社会(S)、企業ガバナンス(G)へ対応することは企業にとって重要なことだという認識は持っています。ここら辺はCSR活動への理解が十分にあるものと思われます。

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そして、ESGへの対応が企業の価値や株価に影響があると考えていると考えている年金基金が65%、今後与えるであろうと考えている年金基金を含めると98%の年金がそのように考えています。

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一般論として資産運用にESG対応といった非財務情報を検討に加えることが重要かどうか聞くと41%が重要、40%が今後重要になると回答して8割の年金基金が重要であろうと考えています。

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では実際に非財務情報を考慮した運用を検討していますか?という質問になるとぐっと減って既に対応している年金が7%、検討中が5%になります。

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ESG投資導入に向けてなにが障害になっているかというとよくわかっていないというのとそもそも検討していないというのが回答でした。

企業の価値に着目して投資をしようというESG投資は企業経営におけるCSRからCSVへという流れの投資バージョンとも言えるものです。同時に企業の情報開示においては財務報告から統合報告へといった流れがあります。

短期目線での投資に集中しすぎて引き起こしたリーマンショックの反省から、企業の財務結果(売上や利益など)だけでなく、財務結果を生み出す数字では見えない部分に着目し、中長期目線で投資をしようというのがESG投資の根底にあります。

金融庁主導で日本版スチュワードシップ・コードが始められ、127の機関投資家が受け入れを表明しました。今後日本でもESG投資を取り入れるところが増えていくのかもしれませんが、年金基金にはESG云々というのは置いておいても是非中長期的目線で投資をして欲しいと思います。 

他にも日本における責任投資という言葉が英語と違ったニュアンスで受け取られているという話もありました。日本語で責任というと非難される責や義務のように拘束されるような意味合いにとられるのに対して、英語のResponsibilityは説明を行う責務、信頼というような意味合いがあります。

グループワークでも責任投資という名前は変えた方がいいのではないかという意見が出ていましたが、荒井さんからも名前は変えたいと思っているのでいい案があったら教えて欲しいと話していました。

また、日本ではオーナーと経営が一緒くたに考えられているのに対して欧米ではオーナーと経営が分離していて、経営者はオーナー(株主)から経営を委託されているという意識があるという話にはなるほどなと感じました。

質疑応答でESG投資が日本でも欧米並みの割合になった時に悪い面はありますか?という質問がありました。

これに荒井さんはESGに限らず世界的な流れに日本が乗るか乗らないかという話という答えをされていました。

結局は日本が世界の一員として認められるには追いつかないといけない一方で、決められるだけでなく日本もルールを決める側に参加しないといけません。例えばFTSE4GoodというESGのインデックスがありますが、ここでも基準づくりをする中で日本からも世界の一員として検討に参加しないと日本独自の考えが反映されません。そういった文化をFTSEはは理解してくれようとしているので荒井さんが呼ばれてルール作りに参加されているそうです。

他にも国際会議などにも日本からは全然参加していないので海外の基準を押しつけられるという前に日本式のガバナンスなどを世界の場で声を大きくしてしっかり主張すべきというのは日本人が他の分野でも気をつけないといけない部分でしょうね。

■ 私の投資活動のあゆみ 社会貢献関連金融商品

まろさんによる個人投資家としてなぜ責任投資をするようになったのか?というセッションでは2000年に親から年金をもらえないかもしれないから自分で勉強しなさいとへそくりを預かって運用を始めたのがきっかけという話が。

結局へそくりは1年で6割くらいがなくなってしまったのでちゃんと勉強をしようと会計や経済学を学んでさらには税理士試験も受けて税理士になられました。

投資信託のはじめかたについては意外と金融機関の手数料かせぎになっているので竹川美奈子さんの『新・投資信託にだまされるな! ---買うべき投信、買ってはいけない投信 』をまずは読んで欲しいという回答が。

鎌倉投信についても坂本先生の『日本でいちばん大切にしたい会社 』は読んだことがあるが、自己満足がリターンになっていて運用成績は・・・って事はないんでしょうか?という質問もありました。これには意外と運用成績はよくて自己満足でリターンを犠牲にしているわけではないと回答していました。

CSRコンサルタントの方からCSRレポートにこういう項目を作って欲しいというものがあればという質問には一番欲しいのは企業が不祥事などの歳にどういう対処をしたのかが書かれていると今後の目安にもなるし、結果として不祥事の影響も抑えられるのではないかという回答でした。そのままだと企業さんが嫌がりそうなのでCSRの成功例だけではなく、失敗例も載せるというような方向で提案してみますとCSRコンサルの方もおっしゃられていたので期待したいです。

■ グループセッション

グループセッションでは7つのグループに分かれてより良い社会に向けて自分がどんな風に関わっていきたいかについて討論しました。

自分がいたグループでは投資をしたことがあるけれども、やるからには損はしたくないという話が出たり、クラウドファンディングで腕時計を作るのにお金を出したことがあるというような人がいました。

ミュージックセキュリティーズのファンドなどでものづくりを応援しようとしてお金を出したという例なども自分が話したのですが、ある程度損をしてもこのプロジェクトは応援したいという時にお金を出すという話に対して、ドネーション(寄付)的な感覚ですか?というような反応がありました。

損をしたとしても受け入れるというのと、損をするけどお金を出すというのは似ているようで異なっていて、例えば企業が新商品を開発して売りだそうとした時に売れるかどうかわからないから止めておこうとしていたらいつまでたっても新商品は生まれません。そこはリスクをとって踏み出すという感覚と同じなのですが、会社のお金と自分のお金だと意識が違っていてわかりにくい部分なのかもしれません。

投資において非財務情報を考慮するという事についても難しそうというのと、長い目で見て投資するという点で損をしたくないというのを覆すほどの影響はなさそうでした。非財務情報を考慮するというのは自分の場合、『フィッシャーの「超」成長株投資―普通株で普通でない利益を得るために 』を読んで最初に取り組んだ事だったのですが、実際にやってみると難しかったので有名企業や事業がわかりやすい事業の会社に限って個別株投資をしていました。最近では投資信託にお任せしてしまっています。

最終的には自分なりのお金や自分の時間の使い方を考えるという事で物を買うときに意識する、応援したい会社(大戸屋)で食事をする、 寄付をする、NPO活動に参加するなどの意見が出てグループとして発表となりました。

普段投資をしていない人と「投資やお金の使い方」について考えてみるという貴重な体験でした。ありがとうございました。

【追記】

投資を楽しむ♪のまろさんがセミナーで配布した資料と補足をブログにアップされています。

社会を意識した投資をするための読書案内

また、質疑応答の中であったCSRレポートに載せて欲しいことについての記事です。

CSRレポートに載せて欲しい情報

私がぜひ読んで欲しいと思うのは藤野英人さんの『投資家が「お金」よりも大切にしていること』です。単純にふやすための投資ではなく、お金の根本について書かれた渾身の一冊なのでできるだけ多くの方に読んで欲しいと思います。

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)

 

ほぼ日刊イトイ新聞でもどうして投資をするんだろう?という記事がありますので、まずはこちらを見て、気に入ったら本を読んでみて下さい。

"どうして投資をするんだろう? - ほぼ日刊イトイ新聞"