いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。2017年に所沢から八女に移住しました。

結い2101運用報告会 2014春の陣(鎌倉)レポート

4月13日(日)に結い2101の運用報告会が鎌倉投信本社で開催されました。まだ運用報告会は続いていますが地方での開催は一段落したようなのでブログにて運用報告会の内容をレポートします。

日時:2014年4月13日(日) 10:00〜12:00
名称:結い2101運用報告会
講師:新井和宏氏(鎌倉投信取締役運用部長)
会場:鎌倉投信本社

■運用報告

一年に二回運用報告をしていて、3月末の数字で過去1年分の報告をするのを春の陣と呼んでいます。7月19日の決算を受けて開催するのが受益者総会。今年は9/27(土)に横浜で開催します。

純資産総額は84億円。昨年3月末は34億円でした。口座開設者数は7,256人。こちらも昨年3月末は4,780人でした。定期定額購入は4,669人。昨年は3,170人でした。 

残高が増えた理由として二つあります。

  1. アベノミクスで株式市場の値上がり
  2. 金融機関など大口のお客様からの投資が増えている 

ある程度サイズが大きくならないと解約リスクが出てくる為、これまで金融法人向けには営業していませんでした。ファンドのサイズも大きくなったのでそろそろいいだろうと解禁して営業活動をしてもらっています。ただし、一番大きくても1割を超えないようにしていて短期的に売買するような金融機関とは付き合わないようにしています。

積立のお客様の比率は変化ありません。 

投資先の会社は現在46社です。当初計画の100社100億円と比較すると遅れていますが新しい会社を入れたい思いはあるものの株価が高すぎて遅らせています。最近株価が下がってきたのでそろそろいれようかなという感じ。

■投資先のいい会社 

テーマ別では 人19社、共生15社、匠12社 

COTA(4923)

先月くらいからなぜか株価が上がっています。現状、ファンドの1.7%が均等投資のターゲットであるのに対して1.9%を超えた所で次々と売っていますが、それでも株価が下がりません。一部上場したというのもありますが、それ以上に買われているように感じます。

京都の製造業で美容室向けにシャンプーやトリートメントを作っている地味な会社です。製造業ですが美容室の売り上げが上がることが成長につながるとコンサル営業をしています。また、HPをみると「いい会社」を目指すと書かれています。

いい会社とはどういう会社ですか?と社長に聞いたら「社員ひとりひとりが価値観をもってそれにむかって活動できる会社。そういう会社にしたい。地味ですが、ただ一生懸命まっすぐ経営していきます。」と言われました。鎌倉投信向きの会社です。

エー・ピーカンパニー(3175)

塚田農場などを展開する居酒屋です。ただ、居酒屋部分は出口に相当していて養鶏場をもち、漁師さんとも直接取引することで6次産業化しています。

共生でもよかったのですが地域性はあまりなかったので人に着目して投資しました。人材確保が難しい中でどういう形で人材確保しているかガイアの夜明けでも取り上げられました。

アルバイト人材の育成に特筆すべきものがあり、大学の就職課と同じ機能を有しています。エー・ピーカンパニーに就職するのでなくても模擬面接をしてくれ、いろいろアドバイスもしてくれます。ここのアルバイトさんはちゃんとしているという評判で他の上場企業と契約し、書類審査、一次面接、二次面接カットまでした上で採用を行っている会社もあります。

アルバイトの人でもっている会社ですので働きやすい環境をと常務の大久保さんが年間200日かけてアルバイト人材の育成を行っています。アルバイトを辞めていく人の理由が就活しないといけないという理由が多かったので就職活動のサポートをするようになりました。

日本空調サービス(4658)

名古屋にあるビルメンテナンスの会社です。3Kと呼ばれる業種でエアコンのメンテナンスをやっていますが、一般のビジネスビルのエアコンからは撤退方向で特殊空調に特化しつつあります。例えば病院など。感染症を持っている人の空気を他の部屋にもっていかない為に空気の分別をします。空気の検査のプロフェッショナルで他には裁判所などにも導入されています。相対的に給料も高く、資格もたくさんとっています。 

現在非開示のA社、B社

小さい会社なので先回りして買いたいという人を抑えるために開示基準をもっています。月末時点で均等投資の基準となる1.7%の6割の1%を超えたあたりから開示します。小さい会社なので買うのに時間がかかっています。SHOEIも開示まで半年くらいかかりました。

カゴメ(2811)

トマト研究で世界一の会社です。個人投資家を大事にすることで有名で17万人くらいの個人投資家がいますが機関投資家向けには積極的ではありません。なぜならすぐ売られるから。

カゴメの場合は先方から呼ばれ、初めて訪問した際に「うちはいい会社じゃないですかね?」と聞かれました。当時はリコピンブームで株価が上がっていましたがアベノミクスに入ってから上がっていないのでそろそろ買うかということで買い始めました。

こういう会社は大きな会社で流動性もあるので投資した翌月には開示できます。

IKEUCHI ORGANIC(非上場)

今治のタオル屋さんで2003年に連鎖倒産しています。風で織るタオルブランドでやっていましたが、倒産したとき、ファンから「タオルを何枚買ったら救われますか?」と言われた会社。カンブリア宮殿に出てタオルがものすごく売れるようになりましたがそれでも銀行はどこも貸してくれません。

過去の不良債権があるので。鎌倉投信がお金を出してようやく過去の負の遺産を精算でき、社名を変更しました。すべてオーガニックにするという思いを込めてIKEUCHI ORGANICに。タオルもシーツも全てオーガニックです。

社長はこだわりがすごく、タオルのネームタグもオーガニックな材料で作っています。表参道に直営店ができたのでぜひ近くに行かれるときは寄って下さい。

ちょうど昨日東京で運用報告会をやって、近くにお店があるんですと場所を伝えて午後の回の後に社員を連れて行ったところ、運用報告会に出られたお客様が5人いてタオルを皆さん買っていました。すてきな建物です。

HASUNA(非上場)

エシカルジュエリーの会社。血塗られたダイヤとか言われていますが、戦争のもとになったり児童労働などが陰にあったりする。いまだにどうなのかわからない状態。HASUNAは現地と直接契約して人権を確保することをしています。

また、現地の人にジュエリーを加工する技術を身につけてもらう活動もしていてちょうど本屋さんに社長の白木夏子さんの本が出ています。社会起業家として有名な方。こちらも表参道にお店があります。

■2013年3月末との比較

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見て欲しいのは昨年と比較して変わったか、また変わった場合はなぜかという点です。

株式投信として認められるには株式が50%以上というのが必要になります。ただ、50%にしてしまうと暴落した場合に50%以下になってしまう可能性があるので10%下がっても大丈夫な55%を下限に設定しています。お客様にはリスクを10%以内という話をしているが、今はマーケットの変化が激しいので、株式比率を最下限にせざるをえません。

債券の比率が下がったのは入金が多かったことによる相対的なものです。

市場別に見ると東証一部は昨年の52%から62%へ増えています。なぜかというと4社が東証一部へ指定替えになったため。TOPIXとの連動性を高めたくないという事で現在非開示のA、B社は両方ともマザーズ。減ったところを補完しています。また、東証一部が増えたとしても時価総額ベースでは小型株ばかりです。

業種別構成比は昨年と大きな変化はありません。
時価総額別構成比についても昨年と大きな変化はありません。

リターンの推移について、足下下げているがあまり下がらないのが結いの運用です。TOPIXについていこうとしていないのでベンチマークにも設定していません。目標リターンを年率4%のラインについてどうやってキープするかを見ていて、アベノミクスで最高点で購入した人であっても年率4%となるようにするのが目的です。

金融政策で株価水準が変わりましたが、経済政策は基本的に信じていません。

■設定来のリスク・リターン

TOPIX  リターン(年率)5.2% リスク20.7%
結い2101 リターン(年率)10.2% リスク9.2%

リターンについてはたまたまですが、リスクはお客様に取ってもいいと約束している水準が10%なのでそれ以下になるように運用しています。

■雪国まいたけについて

2013年は雪国まいたけの全売却がありました。グラミンとバングラデシュで緑豆もやしを作ろうとしていたがなかなか出荷されなかったため。不正会計の問題が明るみになり、債務超過の可能性もあるという事で電話して聞いてみました。

「もやしはいつ出ますか?」と聞くとまだかかりそうという回答だったので「ごめんなさい、もう待てないです。」と全売却しました。ずいぶん前から追加投資はしていなかったのでウエイトは全体の0.2%以下くらい。ポートフォリオへの影響は大きくありませんでした。

ただ、バングラの緑豆もやしが出たら皆さん買って下さいね。

■企業業績

純資産+配当の成長を年率5%を目標に設定しています。投資先が利益を出せば市場の期待が最初と最後で変わらなければ株価はそこに落ち着きます。将来の期待はわからないので同じ条件で考えた場合の参考として。足下は輸出企業中心に業績が回復しています。インフレがいつから実績値としてくるのか、お客様に過度な期待をさせないようにしています。

■質疑応答

Q.ヤマトHDのクール便や隠蔽、廃棄などの不祥事について聞かせて下さい

A.
クール便の問題の後は木川社長に手紙を送って木川社長から返事をいただきました。しっかり対応できていなかった5%の営業所を切り捨てるような対応だったら全売却も検討しましたが、本部の責任を認め、現場に向き合って対応したのでその件については落ち着きました。

秋の受益者総会で木川社長に来ていただくので直接お話を聞いて下さい。どんな会社でも問題は発生します。それをどう解決するかが大事なのです。

Q.雪国まいたけは社長にも問題があったのでは

A.
カリスマ社長でバイタリティが高く確かに強烈な人でした。バングラデシュでのグラミンとの合弁による緑豆栽培については社員からの起案だったので評価して投資しましたが、結果的に進みませんでした。我々もカリスマ社長には気をつけようという勉強になりました。 

Q.アミタHDの比率が少なく感じたが

A.
これまで鎌倉投信では議決権行使は基本的に賛成を投じていて反対するような会社とはそもそもつきあわないというスタンスでした。ですが、今回アミタは資本準備金を取り崩して配当をしました。それは我々からするとありえない行為です。

納得できないので役員に面談して経緯を聞きましたが、今度熊野さんにも会ってきます。
(その後、結いだより第50号で役員や熊野さんに面談したことが報告されています)

Q.ライフネット生命についてどう考えていますか?

A.
株価は気にしていません。ネット生保がレッドオーシャン化して予想外に参入障壁が低かったのがわかりました。今後離職率が高くなったら注意信号で打開策を出せるか試されている状況です。

Q.日本版スチュワードシップ・コードについてどう考えていますか?

A.
企業とどういった対話をしていくか運用会社としての責務を果たしているかわかるようにする必要がありますが、どうするのがいいか社内でも議論していて我々が考えていることと合っている部分と合っていない部分があります。

気になっているのは対話は最終的な株主利益の最大化が目的というところで、そこなのかな?という違和感を感じていて、そこが議論の対象になっています。やっている行為はスチュワードシップ・コードに近いものだと思いますし、鎌倉投信が手を挙げないでどうするという意見もあります。

どうするかはまだ社内で検討中です。

Q.新入社員はどういう人?

A.
横浜国立大学での教え子が2名入社しました。特に募集はしていませんでしたが是非入社したいという事だったのと、事業の黒字化のめどがたってきたので新卒を採用することになりました。 

【おまけ】

運用報告会の後はこんな素敵な古民家の裏山で筍掘りをしてきました。

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受益者冥利につきる瞬間です。これがあるので春の報告会は鎌倉まで出向くことにしています。

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こんなに大きな筍が掘れました。

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家に持ち帰って筍ご飯に。ごちそうさまでした!

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